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Dell EMC、次世代コンバージドインフラストラクチャ製品を発表

ストレージやサーバーの幅広い選択肢を提供

 デル株式会社とEMCジャパン株式会社は2月23日、コンバージドインフラストラクチャ(以下、CI)の次世代版となる「Dell EMC VxBlock System 1000」(以下、VxBlock 1000)を加え、ポートフォリオを拡充したと発表した。同日に行われた発表会では、Dell EMCのハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)製品群のアップデート状況と合わせて、CI製品の位置づけおよび新製品「VxBlock 1000」の概要について説明した。

 まず、HCI製品のアップデートに関して、EMCジャパン コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitectディレクターの三邉祥一氏は、「Dell EMCでは昨年、HCIのアプライアンス製品『VxRail』と『XCシリーズ』について、サーバーを第14世代PowerEndeに刷新した。今後、ラックスケール製品の『VxRack SDDC』と『VxRack FLEX』についてもアップデートする予定」とした。

EMCジャパン コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitectディレクターの三邉祥一氏

 第14世代PowerEndeを搭載したHCI製品の主な特徴としては、高密度実装を支える新たな冷却技術「Multi-Vector Cooling」の採用、「Boot Optimized Storage Subsystem(BOSS)」によるブート用ストレージの強化、およびIOPSの大幅向上を挙げている。HCI製品の国内サポート体制も強化する予定で、「昨年7月3日から、日本国内で9時-21時のVxRailサポートを提供しているが、今年3月からは、24時間365日の国内サポートを提供する」としている。

「VxRail」の国内サポート体制

 こうしたHCI製品の展開を踏まえたうえで、CI製品の位置づけについて三邉氏は、「今後、すべてのシステムがHCIに移行するのではなく、数年間はCIと共存していくと考えている。それは、HCI製品によってもたらされる“運用管理の簡素化”というメリットは、最新のCI製品でも実現できるからだ」とし、「当社のCI製品『VxBlock』は、単なるバンドル製品ではなく、完成された1つのターンキー製品となっている。これにより、導入企業の61%が運用コストを削減、66%がIT運用効率を向上し、5年間のROI(投資対効果)は最大640%に達している」と述べた。

 今回の新製品「VxBlock 1000」は、あらゆるタイプのワークロードをサポートできるよう設計されており、従来モデルを上回る世界レベルのストレージアレイ、データ保護、コンピュート能力の幅広い選択肢を提供する。「従来モデルは、ストレージアレイが固定されており、データプロテクション機能やラックマウントサーバー、データレイク用の『Isilon』などは、要望に応じてオプションで拡張する仕様になっていた。一方、今回の『VxBlock 1000』では、これらすべてをオールインワンシステムで実現。従来モデルに比べて4倍のストレージと2倍のサーバータイプを選択できるとともに、データプロテクション機能も試用版をプリインストールして提供する」(三邉氏)という。

「VxBlock 1000」の製品概要

 具体的には、「Dell EMC Unity」、「VMAX」、「XtremIO」、「Isilon」の4つのタイプのストレージアレイを組み合わせて利用できるほか、Cisco UCS Bシリーズ ブレード サーバーに加えてCisco UCS Cシリーズ ラックサーバーおよびDell EMCの幅広いデータ保護製品を選択することが可能となった。これらのすべてを1つのシステムとして利用できるため、従来モデルとの比較で、サーバーのスケーラビリティが56%向上(512サーバーから800サーバー)し、サポート可能なストレージアレイ数も10アレイに強化している。このほか、単一のアップグレードプロセスでマルチテクノロジーシステムを実現、最大8システムまで管理できるマルチシステム管理プラットフォーム「AMP-VX」を提供、バックアップとリカバリを工場出荷時に統合、より高いパフォーマンスや低いレイテンシの要件に向けてNVMeをサポートした点を新機能として挙げている。

ITの成長とオペレーションを簡素化

 また、「VxBlock 1000」では、リソースをプールしてシステム利用を最大化することで、無駄な容量の発生をなくし、ROIを高めながら最大60%のラックスペースの省スペース化を実現。多様なリソースを単一システムにプールすることで、ビジネスやワークロードの要件が変化した場合に連携のない複数のシステムで作業して管理するのではなく、プールしているコンピューティング、ストレージ、データ保護などのリソースを指定のアプリケーションへ割り当てたり、再割り当てしたりすることが可能となる。

大規模ITと運用管理を簡素化

 さらに、Dell EMC RCM(Release Certification Matrix)による、ライフサイクル全体を通じた保証を背景に、すぐに使い始められる(ターンキー)エンジニアードシステムとなっているため、運用環境を大幅に簡素化することができる。これによりITスタッフは、管理の負荷から解放され、企業戦略のための新たな業務に集中することが可能となる。また、日常的な管理とサポートが必要となるコンポーネント数が少なくなることに加え、マルチテクノロジー環境において、アップグレードやパッチ適用など全体的なシステムライフサイクル管理に要する時間を最大75%短縮できるとしている。