ニュース

住友重機械とNEC、AIを活用し産業機械の故障予兆に関する実証実験を実施

RAPID機械学習技術を活用

 住友重機械工業株式会社(以下、住友重機械)と日本電気株式会社(以下、NEC)は13日、AIを用いて産業機械の故障予兆検出を行う実証実験を実施したと発表した。その結果、プラスチック射出成形機(以下、射出成形機)から出力されたデータを利用し、故障予兆の検出に成功したという。

 両社によれば、電動射出成形機では、駆動機構に搭載されたボールねじのメンテナンスを計画的に実施したいという要求があり、故障の予兆の検出が期待されていたという。そこで今回の実証実験では、その射出成形機の故障について、AIで予兆を検出できるかの検証を行った。

 具体的には、射出成形機に標準搭載されているセンサー群の時系列データを利用し、ボールねじが正常な場合、損傷を受けた場合のデータについて、差異検出が可能かどうかを検証している。

 この検証にあたっては、正常時/損傷時それぞれの時系列データを、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つ「RAPID機械学習」技術を用いて分析した。その結果、1500あるデータセットを20分ほどで学習し、1データセットあたり0.4秒以内で、正常/損傷のデータを高精度で判別できることが確認されたという。

 両社では今後、今回の実証実験の結果をもとに、故障予兆における環境変動への耐性や、損傷の種別・程度の判定について検証を進めていく予定。また、プラスチック製品へのAIによる画像検品の適用や、成形条件の自動調整実現も視野に入れて活動するとしている。