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NEC、AIを利用した目視検査ソリューションを提供 検品業務の工数削減と品質の均一化を実現

 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、IoTを活用したものづくり支援ソリューション「NEC Industrial IoT」のラインアップに、AIを用いた目視検査ソリューション「AI Visual Inspection」を追加すると発表した。同日から販売を開始する。

 AI Visual Inspectionは、X線画像を含めた対象の製品画像をAIで分析することにより、金属や樹脂・ゴムなど、部品加工業の製造ラインにおいて、高速な検査を実現するソリューション。NECの最先端AI技術「NEC the WISE」の1つ「RAPID機械学習技術」を活用している。

 具体的には、製造現場の検査工程にある製品を撮影し、撮影した画像データをNECのIoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」上に構築したクラウドへ保存・蓄積する。この画像データを用いて、クラウド側のAIが製品の良品・不良品の特徴量を自動的に抽出・分析(学習)。その結果をもとに、良品・不良品を判定するモデルを生成し、それを現場に設置した端末(Edge)へ配信する。

 その上で、現場端末に内蔵されたAIが、製品の良品・不良品の判定(解析)を、配信されたモデルに基づき1個あたり数秒程度の速さで行う、といった仕組みになる。

 NECでは、これにより、従来は人手で行っていた検品業務工数をおおよそ1/2程度に削減するとともに、製造品質の均一化を行えるとしている。

 なお、製造ラインに新たな製品が追加された場合でも、クラウド側のAIが新製品の特徴量を自動的に学習し、判定のためのモデルを更新するため、追加の設計・開発作業を軽減可能。また、クラウド側のAI機能をオンプレミスで提供することも可能なため、自社内・生産拠点内に閉じた運用をしたい場合にも対応できるとした。