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NEC、IoTで生産革新を実現する「ものづくり見える化ソリューション」

 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、IoTを活用したものづくりソリューション「NEC Industrial IoT」において、生産現場のデータを収集・可視化する「ものづくり見える化ソリューション」を発表した。10月より順次提供を開始する。

 「ものづくり見える化ソリューション」は、NECの工場で行った生産革新やIoT実証に基づいて生産現場のデータを収集・可視化し、生産性・サプライチェーン全体の流れ・品質の向上を実現するソリューション。「スループット」「品質」「オペレーション」の見える化機能を実現する3つのメニューを用意した。

 このうち「スループット見える化」では、ものづくりにおける滞留を最少にし、最も短いリードタイムで効率的に製品を製造・供給することを目指す。このために、このために、オーダーの滞留状況や積算コストを見える化し、原因を分析して改善活動につなげるという。

 また「品質見える化」では、製造品質管理の5つの要素である5M情報(人、方法、機械、材料、計測)を収集・蓄積し、品質分析やトレーサビリティを実現する。

 3つ目の「オペレーション見える化」では、作業員やモノの動きをビーコンやRFIDタグ、画像などによりリアルタイムで把握し、最適なナビゲーションにより現場作業を効率化する。あわせて、動線や滞留ポイントの分析によって工程設計や作業手順の改善につなげるほか、NECの耐騒音 音声認識ソリューション「VoiceDo」を用いて、声による入力・操作・確認を行い、手入力と比べて高い業務効率も実現するとしている。

 なお、画像で部品や製品の個体を識別し、5M情報とひも付けるAI技術「物体指紋認証技術」を利用し、タグを付けることが難しいモノについても、個体レベルでのトレーサビリティを行えるよう支援するサービスを用意した。個体ごとの詳細な品質分析を可能にし、品質管理・トレーサビリティにかかる時間とコストを低減するとのこと。

 またNECでは、急増する現場からのデータを統合する基盤として、「FC98-NXシリーズ」をはじめとしたファクトリコンピュータ、サーバー、ゲートウェイなどのハードウェアや、ExpEther、高信頼無線などのネットワーク技術、AI技術などにより、多種多様な設備・IoTデバイスとの接続や、設備から収集する大量データ処理をセキュアに実現するエッジコンピューティングソリューションも順次提供する。

 価格は、ものづくり見える化ソリューションのうち、スループット、品質、オペレーションが各500万円(税別)から。いずれも10月の提供開始を予定する。物体指紋認証による個体識別ソリューションは個別見積もりで、2017年度上期の提供開始を予定。エッジコンピューティングソリューションも個別見積もりとなり、2016年度下期の提供開始を予定している。