ニュース

ニュータニックス、順調なビジネスとAOS 5.5の機能強化をアピール

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(以下、ニュータニックス)は12日、国内の事業概況とOSの新版「AOS 5.5」に関する説明会を開催した。

 ニュータニックス コーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏は、「日本で400社を超えるユーザーを獲得することができたが、グローバルの10%となる800社―1000社獲得を目指していく」と述べ、さらに高い目標を立ててビジネスを行っていくことを強調した。

ニュータニックス コーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏

 また、アプライアンスからビジネスをスタートしているが、「インフラに依存しないエンタープライズOSソフトウェア」の提供企業であることをあらためてアピール。今後、AOSの機能拡張を行って他社と競合する場面が増えると思われがちだが、「クラウド事業者がIaaS、PaaSと提供範囲を拡大していることで、競合するのではないか?という意見を頂くが、われわれが目指しているのはもっと手軽なもの。所有と利用の共存共栄関係を築いていく」(町田氏)ことがビジョンだと話した。

すでにソフトウェア主体のポートフォリオになっているという

パートナーが順調に拡大

 現在、Nutanixのワールドワイドのユーザー数は8000社を超えた。用途としても、従来多かった仮想デスクトップ(VDI)の比率が下がり、エンタープライズアプリケーションの比率が上昇しているという。

 今後の国内のコンバージドシステム市場については、「トレンドに大きな変化はないと考えるが、適用領域拡大が見込まれる」(町田氏)と利用領域拡大を進める。

 プラットフォームとして、2017年にはIBMのPowerアーキテクチャに対応。「プロセッサ、プラットフォーム、利用形態を拡大していく流れは止まらない」と説明し、インフラに依存しないエンタープライズOSクラウドソフトとしての機能拡充を進めていく。

 パートナーエコシステムについては、グローバルに展開している「Nutanix Ready」というテクニカルアライアンスプログラムへの参画企業が拡大。102社が登録済みで、91社が申請を行っている。日本独自のパートナープログラム「Enterprise Cloud Association」では、ワーキンググループごとに共同検証を実施し、技術情報を公開しているとのこと。また、著名なアドバイザリーボードメンバーの参加も予定しているという。

パートナーエコシステム

AOS 5.5はマルチクラウド時代のための機能を拡充

 同社の最新OSであるAOS5.5は、12月6日にリリースされた。今回、この新機能と今後搭載を予定している機能を紹介している。

 この製品が最初に紹介された、仏ニースで開催された同社のカンファレンス「.NEXT Conference Europe 2017」のキーノートでは、Nutanixが一貫してITの課題である複雑さを解決するソリューション提供に取り組んできたことがアピールされた。そのうえで、こうしたビジョンをもとにAOS 5.5の開発が進められているという。

 適用領域は、当初は仮想化領域からスタートしたが、ニュータニックス システムズ・エンジニアリング・ディレクターの露峰光氏は、「現在では領域が拡大し、企業がクラウドを利用する中で、マルチクラウド、企業内のデータセンターなど、対象は広がっている」と述べ、Nutanixの活躍領域が広がっていることが、企業として発展を続ける源泉だと説明した。

ニュータニックス システムズ・エンジニアリング・ディレクターの露峰光氏

 本来はパブリッククラウドのメリットとされてきた、スモールスタートができることなどの利便性をオンプレミス環境でも実現。「パブリッククラウドが持つ利便性を拡大することは、一過性のブームではなく、企業にとって当たり前のものになってきている。これをCore Cloudとすると、IoTで導入されるEdgeにもCore Cloudを適用できる」(露峰氏)。

 自動運転のように膨大なデータが発生するものは、すべてのデータをCore Cloudに送り込むのでは、ネットワーク負荷が高くなりすぎるなど問題が多い。そこで、Edgeでデータをサマライズし、必要なデータをCore Cloudに送り込む必要がある。こうした用途においても管理コンソール「Prism」のテンプレートから、Edge、その先につながっているセンサー類まで含めて一元的に管理する機能を提供していく。

 「例えば、駐車場のカメラが撮影したデータの中から、赤い車だけを抜き出すといった作業を瞬時に行えるアプリケーションを現在開発している」(露峰氏)。

 AOS 5.5の具体的な機能としては、Nutanixの独自ハイパーバイザーAHVが大幅に強化されており、AHV Turboでは、従来はシングルスレッドだったqemu-kvmがボトルネックとなっていたものを、マルチスレッド化することによって性能改善した。ハードウェアのアップグレードは不要で、ソフトウェアのアップデートだけで改善を実現している。また、RDMA、NVMe、3D Xpointなど高速デバイスへの対応準備も行われたとのこと。

 AHV GPU Supportでは、AHVがNVIDIA GPUに対応。パススルーとvGPUもサポートしている。これにより、CAD on Citrixにおける費用削減を実現し、ディープラーニングなどの基盤として利用しやすくなるとしている。

AHV Turbo
AHV GPU Support

 マイクロセグメンテーションとしては、ハイパーバイザーのレイヤで分散ファイアウォールを設定可能となった。VMの設定や通信トポロジーに関係なくポリシーを強制でき、仮想スイッチレイヤーで制御することも可能。ネットワークセキュリティが強化されるとともに、管理の一元性も向上しているとのこと。さらに、アプリケーション視点でのポリシー構成と適用、ポリシーとフローの可視化が可能となった。

マイクロセグメンテーション

 一方、Edge Cloudへの拡大を視野に入れた機能強化として、あらゆる規模/用途に対する適応として1ノード、2ノード構成にも対応。展開作業の負荷軽減を図るために、AHVの強化、マルチサイトのワンクリック運用管理、ライフサイクル管理の一元化を実現したとしている。

1ノード構成、2ノード構成をサポート

 例えば、Prism CentralのDynamic Alerting機能では、アラート項目の自動化を設定できる。「アラートがひんぱんにあがると、運用管理者の負担が増してしまう。例外的負荷がかかった時のみアラートをあげる設定をすることで、経験や勘ではなく、機械が運用管理者をサポートし、本来対応すべきのみ、対応することができるようになる」(ニュータニックス シニア・システムズ・エンジニアの島崎聡史氏)。

ニュータニックス シニア・システムズ・エンジニアの島崎聡史氏

 またPrism CentralのVM Right Sizingは、仮想マシンへの過剰なリソース割り当てや、パフォーマンスの問題を自動検知する。リソースが過剰なもの、足りないものなどをレポート化する機能を持っているので、投資計画に利用するといった使い方も可能だ。

 Prism Centralの一機能として提供されるNutanix Calm(Cloud Application Lifecycle Management)もアピールされた。アプリケーションライフサイクル管理とクラウドオーケストレーションの機能を提供するツールで、ハイブリッドクラウドを利用する際に生じる、プラットフォーム間の非互換、および適性の違いを解決する対策としてアプリケーション管理を行う機能を利用できるという。

 また、アプリケーション展開を迅速化するために、統合型のアプリマーケットプレースサービスNutanix App MarketplaceがNutanix Calmに追加されている。新規、既存のどちらのアプリケーションでも、標準規格に準拠したブループリントを通じて定義し、パブリッシングすることができる。今後、エコシステムをさらに発展させていくことも計画しているとのこと。

Prism Centralの一機能として提供されるNutanix Calm
Nutanix App Marketplace

 なお、今回の5.5には含まれていないものの、将来搭載を予定している機能の一部も紹介された。

 「Acropolis Compute Cloudは、AWS EC2ならぬAC2と呼ばれている。コンピュートリソースを足す仕組みとなるが、『むやみやたらにリソースを足していくものではなく、例えばSAPのHANAを動かす際にワークロードバランスが悪い部分を調整するためにリソースを追加する』、といった使い方をするものになる」(島崎氏)という。

 単一なプラットフォームで、広範囲なワークロードに対応していることがNutanixの特徴だが、オブジェクトストレージ「Acropolis Object Storage Services(AOSS)」も提供される予定だ。