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多くの事例から見るシトリックス製品の価値は?~Citrix Mobility 2014レポート (国際競争力のために仮想デスクトップで業務改革)
ANA、Google、KDDI、NTT Comなどが登壇
(2014/11/19 06:00)
国際競争力のために仮想デスクトップで業務改革 ~ ANA
ここで、「どこでも働ける」というワークスタイルへの変革事例として、全日本空輸株式会社(ANA)の上席執行役員 業務プロセス改革会議議長・業務プロセス改革室長である幸重孝典氏が登場した。
幸重氏は背景として、国際線の比率や外国からの客の割合が増えてグローバルで競争することになり、生産性を上げる必要があったことを説明。「デスクでないと仕事ができない」「雑務に時間を取られる」という問題を解決するためにリモートアクセスやモバイルを導入して、ワークスタイルを変えたという。
ツールとしては、モバイルとクラウドを最大限に活用。特に仮想デスクトップを核として導入した。これにより、本社の人間が空港で仕事するといったことができ、帰社してから対応するような無駄がなくなったという。
具体的には、2012年10月にクラウド型仮想デスクトップとCitrixのXenDesktopを導入し、2013年3月にはメールをGoogle Appsに移行した。2014年3月はクラウド型のボイスコミュニケーションを導入。「電話はデスクに拘束させる要因となる。モバイルに移行することで、どこでも職場で仕事しているのと同じになった」と幸重氏。
また、営業部門などのファシリティー標準化やフリーアドレス化と組み合わせることで大きなコスト効果があったことや、1社から3万人超のグループ全体に広げることでさらに大きな定量効果を得たことも語られた。
その進め方について幸重氏は、「一気に変えようと考えがちだが、働き方を変えるのはカルチャーを変えることなので、段階的にゆっくり進めた」と説明した。
氏は最後に、今後の挑戦課題として、全社員へのモバイル導入や、デスクトップ仮想化の業務系への拡大、海外事業所への展開などを語った。
続いて壇上にはシトリックスの小田学氏が登場し、「カフェでプレゼン資料を確認して修正する」という想定シチュエーションで、どこでも働けるスタイルをデモした。
Surface Proを使い、米国のサンタクララに設置されているHPの高密度サーバーMoonshotで動く仮想デスクトップに接続。仮想デスクトップでもSurface Proのタッチによるジェスチャーが使えるところなどを見せた。また、MoonshotのCPUに内蔵されたGPU「Iris」を仮想デスクトップで使うことにより、Photoshopでの画像変形もスムーズにできるところを示した。
そのほか、操作のわからない点などをチャットでヘルプデスクに問い合わせるConciergeもデモされた。