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VMworld 2020がオンラインでスタート、スマートNICでESXiを動かす「Project Monterey」を発表
VMware Tanzuの強化も表明、パートナーシップを拡大
2020年10月1日 00:00
米VMwareは、年次イベント「VMworld 2020」をオンラインで9月29日～10月1日に開催している。
同社の製品ポートフォリオから、主に「App Modernization」「Multi-Cloud」「Digital Workplace」「Virtual Cloud Networking」「Intrinsic Security」の5分野が強調されて紹介された。
本記事では、VMworld 2020での新発表のうち、仮想マシンとコンテナを統合的に動かし管理するVMware Tanzuと、技術プレビューのProject Monterey関連についてレポートする。
VMware Tanzuのポートフォリオとパートナーシップを拡大
VMware Tanzuは、KubernetesをVMware vSphereに組み込んだものとして、VMworld 2019で発表されている。今回のVMworld 2020でも、App Modernizationを担う製品として大きく取り上げられ、拡大が紹介された。
VMware CEOのPat Gelsinger氏は、ジェネラルセッションで「25年前にJavaが“write once, run any ware”として登場し、Springフレームワークがモダンなアプリケーションの形を作った。そしていま、Kubernetesが正しいツールだというのは業界の共通認識であり、Kubernetesをエンタープライズで高度なトレーニングなしに導入できるようにする」と語った。
Tanzuはこの1年でプロダクトラインを強化。現在は、Kubernetesを実行するvSphere with Tanzuを中心に、管理ツールなど包括的なポートフォリオを構成している。買収したPivotalやHeptio、Bitnami、Wavefrontの技術も統合しているという。
またパートナーエコシステムの拡大としては、VMware Cloud on AWSにおけるTanzuサポートと、Oracle Cloud VMware Solutionにおけるプレビューサポート、Azure VMware Solutionでアーリーアダプタにすぐにプレビューを提供できるよう緊密に連携していると発表した。
同時に、ソースコードリポジトリやプロジェクト管理、CI/CDなどの機能を持つ「GitLab」とのパートナーシップも発表された。
スマートNICでESXiを動かすProject Monterey
このほか、技術プレビューとして「Project Monterey」が発表された。大きな技術要素としては、スマートNIC（CPU処理の一部を動かせるNIC）でESXiを動かすというものだ。ブログでの説明では「多くのスマートNICはArmベースのプロセッサーを搭載しているので、ESXiをArmに移植する」と書かれている。
AI/機械学習や5Gなどの大量のデータが流れるワークロードで、ネットワークが高速化されたのに対してCPU処理が追いつかなくなっているケースを想定。ネットワーク（NSX）やストレージ（vSAN）、セキュリティの機能などをスマートNICにオフロードすることで、CPUの負荷を軽減するという。さらにベアメタルサーバーを、スマートNICを通してVMware Cloud Foundationから管理することも構想している。
Project Montereyでは、Intel、NVIDIA、Pensando Systems、Dell Technologies、HPE、Lenovoがエコシステムパートナーとして協力する。なおNVIDIAは、9月にArmの買収を発表しているほか、NICやネットワークチップの技術を持つMellanoxを4月に買収完了している。
同時に、VMwareとNVIDIAは、AIと新しいデータセンターアーキテクチャに関する幅広いパートナーシップを発表した。両者の技術を組み合わせることにより、エンタープライズへのAIの普及を促進するという。
