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Dell Technologiesのブランドファミリーが1カ所に集結――、Dell EMC World 2017が開幕

初日基調講演レポート

HCIやストレージもさまざまな新製品を投入

 一方、コンバージドインフラ、HCIについても発表。「データセンターを最新化するための手法として、最も速いのはコンバージドインフラの導入である」と前置き。

 「2009年にVBLOCKを投入して以来、コンバージドインフラではナンバーワンのポジションにあり、2位の3倍以上のシェアを持つ。また、HCIでは、VxRailを投入しており、ハイブリッドクラウド基盤としても評価を得ている。ここでは、小さく始めることができる点が重要であり、VxRailでは、拡張や管理を簡単に行えるようにしたことで、TCOは30%も削減できるようになった」とした。

 ゴールデンプレジデントは、ここで、新たにVxRail 4.5を投入することを発表。「14世代サーバーをベースにし、vSphereとvSANを搭載。最小構成価格を2万5000ドルに引き下げ、中小企業や大手企業の支店にも最適な製品に進化した」と胸を張った。さらにここでは、新たな価格体系として「クラウドプライシング」を発表。「月額払いであり、使用期間が長ければ価格が下がっていくことになる。1年後はいつでも返せるという仕組みになっている」とした。

VxRail 4.5を発表した

 さらに、ストレージに関しては、ハイエンド、ミッドレンジ、非構造化データに対応した製品を含め、オールフラッシュ、SDSなどにおいても新製品を発表。「すべてのストレージ製品で新たなものを投入する。よりパワフルになり、高密度になり、効率性が高く、可用性を実現することができ、キャパシティあたりのコスト効率も高く、TCOも高い。ナンバーワンシェアを持つストレージ群であり、ポートフォリオをさらに拡張できる」とした。

 ハイエンドでは、VMAX950Fを投入したのが最大のトピックスだ。「最高のパフォーマンスと可用性を実現したもので、ミッションクリティカルな環境で利用できる」とする。
 従来のVMAX850Fに比べて、IOPSでは68%向上し、遅延も0.5秒未満、25%の省スペース化を実現する。それぞれのシステムが4PBまで拡張できるといった機能を説明した。

ストレージはすべての領域で新たな製品を発表した
VMAX950Fは大きな進化を遂げた
VMAX950F

 また、XtremIO X2を発表。「XtremIOは最も速く10億ドルのビジネスになったものであり、スナップショットと重複排除機能により、たくさんのデータコピーを持つことができ、開発環境にも適したものである。これを強化したのがX2である」とし、ブリックあたり138TBにまで拡張できること、ブリックあたり3倍のキャパシティを持つこと、25%のデータ効率性を実現すること、GBあたりのコストは3分の1にまで縮小すること、4倍の高密度になっていることなどを説明した。

 2017年末までに投入する予定の次世代ScaleIOでは、数千ノードへと拡大ができる大規模ユーザー向けSDSとして進化。14世代サーバーと、MVMeを採用。データの効率化を進めることができるという。

 ミッドレンジでは、オールフラッシュストレージとなる次世代のDell EMC Unityを発表した。「Unityを市場に投入してから1年を経過したが、従来製品に比べて8倍の高密度を実現し、容量は4倍になった。256TBのファイルシステムのインストールは10分未満でできる」と述べた。

ScaleIO Ready Nodes
オールフラッシュのDell EMC Unity 450F

 また、Comperent SCシリーズでは、新たにSC5000シリーズを発表。「安価で、効率性の高いハイブリッドストレージであり、SC4000シリーズに比べて、容量は2倍、IOPSは50%向上しており、GBあたりの単価は10セントを切り、ミッドレンジのなかでは最も価格が安いものになる」とした。

SC5000シリーズ

 非構造化データ向けストレージとして、次世代のIsilonを投入することを発表。「新たなインフィニティアーキテクチャを採用した、オールフラッシュストレージとして投入。コンピューティングとストレージの拡張をハイブリッドで行える。既存のIsilonに比べて、IOPSは6倍に、スペースは75%減となる。16ラック必要であったものが、4ラックで済むようになる」という。

次世代Isilonの進化も目覚ましい

 さらに、クラウドデータプロテクションについても説明。新たにアプライアンス製品を投入し、「デプロイメントは10倍高速化し、ひとつのインターフェイスでの管理が可能になる」などとしたほか、オープンネットワーキングスイッチ製品「S5100-ONシリーズ」を発表し、「業界初の25GbEのオープンネットワーキング製品で、OS10で動く最初の機器になる。14世代のPowerEdgeを採用し、HCIやIoTなどの環境に向いている。エンタープライズでも、サービスプロバイダーにも適した製品である。この製品をきっかけに、これからオープンネットワークは重要性を増していくだろう」と述べた。

クラウドデータプロテクションアプライアンス
オープンネットワーキングスイッチ製品「S5100-ONシリーズ」