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Dell Technologiesのブランドファミリーが1カ所に集結――、Dell EMC World 2017が開幕

初日基調講演レポート

さまざまな事例を紹介

 講演では、BoeingやSony Pictures Entertainment、Jaguar Land Roverなどの事例を示しながら、これらの企業がソフトウェアカンパニーやデジタルカンパニーに変革していることを紹介した。

 Boeingでは、ジェットエンジンの管理などにPivotalを活用し、IoTから得られる情報をもとに航空業そのものを変革させ、ソフトウェアカンパニーに移行している事例を示しながら、「Pivotalはマルチクラウドへの移行を支援するものであり、デジタルトランスフォーメーションを支えるものになる。それを実現する最新のIT技術、製品を持っているのがDellであり、顧客の変革を支援するためにDellは存在している」などとした。

 また、Sony Pictures Entertainmentでは、スパイダーマンの制作において、Dellの製品群を活用していること、Jaguar Land Roverでは、電気自動車の開発において、DellやVMwareのデジタルツールを活用し、設計、開発、デザインなどの手法を劇的に変えることに成功したという。

 ここでは、Dell TechnologiesとPivotal、VMwareとの連携が強化されていることを示しながら、「VMwareはデータセンター全体を仮想化し、自動化されたセルフサービスでの管理が可能になる。これによって、たくさんのイノベーションやチャンスを生み出すことができる。Dell Loves VMwareである」とデル会長兼CEOは発言。VMwareとの距離感が一層縮まっていることを強調してみせた。

 また、セキュリティ環境においても、Dell Technologiesは強みを発揮していることを示し、「SecureWorksでは、脅威の状況をモニタリングしており、さらにRSAを通じてインテリジェントなセキュリティも実現している。セキュリティリスクはビジネスリスクであるということを知らなくてはならない。Dell Technologiesは、企業がどんなステップにあっても、エッジからコア、クラウドに至るまで、セキュリティにおいて貢献できる」と語った。

 なお、デル会長兼CEOは、「オンプレミスよりも、パブリッククラウドの方が2倍もコストが高いという結果が出ている。特定のワークロードで利用することがわかっているのならば、その傾向はさらに高まる」などとも述べた。

 一方、バイオ関連企業のEdico Genomeとともに、IsilonやPowerEdgeをベースにした低消費電力で稼働するHPCを活用。22時間かかっていたゲノム解析を22分で完了することができたことも紹介した。

 この技術を、小児神経癌細胞種の治療に活用。Dellのカレン・クイントスCCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)は、「この技術を利用することで、より短時間での対応を可能となった。すでに数1000人に対して支援を行っている。今後もHPCソリューションをさらに進化させ、アルツハイマーにも適用したいと考えている。成人の癌治療や脳しんとうの治療、セラピーにも活用したい」などと述べた。

Dellのカレン・クイントスCCO

 続いて登壇したのが、マジシャンのデビッド・ブレイン氏だ。登壇したブレイン氏は、デル会長兼CEOがペンでサインしたトランプのカードを、いつの間にかデル会長兼CEOの時計の下に折り畳んでしまうというマジックを披露。さらに、新たに発表した14世代の最新サーバーを利用しながら、接続性のテストや統合セキュリティのテストと称しながら、2人の観客がサーバーに手を置き、一人に触った身体の箇所と、同じ箇所をもう一人の人が触られたと感じるという不思議なマジックを披露してみせた。

マジシャンのデビッド・ブレイン氏(左)のマジックで、左手の腕時計の下に折り畳んだカードを発見し苦笑するデル会長兼CEO
14世代PowerEdgeを利用した接続性テストと題したマジック