仮想化道場

クラウドプラットフォーム企業に変容するVMware (SDDCに注力するVMware)

SDDCに注力するVMware

 ハイパーバイザー関連は、ある程度成熟化しているため、今後VMwareは、SDDCを構築するためのプラットフォームの開発に注力していくだろう。もちろん、例えばフラッシュメモリなど、新たなハードウェアへの対応を必要になってくるので、vSphere 5.5においてFlash Read Cacheを追加したように、そうした最新技術への対応は順次行っていくことになる。

 一方、プロセッサにおいては、高い性能は持たないが消費電力が低い、Atom C2000などがリリースされてきている。Atom C2000は仮想化機能をサポートしているが、1つ1つのコアのパフォーマンスがXeonなどに比べると低いため、1つのコアを仮想化して利用するよりも、1つのコアに対して直接仮想マシンに割り当てることになる。このため、こうしたプラットフォームを利用する場合、ハイパーバイザーは多数のプロセッサやメモリの管理層になっていくだろう。

 ネットワーク仮想化においては、VXLANに加えてVMware NSXをリリースし、いち早くSDNをサポートしているが、物理ネットワークとの連携に関しては、各サードパーティとの連携が必要になる。ストレージ仮想化でも、Virtual SANが発表されたが、多くのユーザーが積極的に利用している状況にはなっていない。サーバー以外の仮想化部分が成熟するためには、もう数年かかるだろう。

 とにかく、2012年以前に買収された企業などを整理して、新たなスタートを切った2013年のVMwareは、ゲルシンガー氏が提唱するSDDCへの第一歩を示したのだといえる。

山本 雅史