Infostand海外ITトピックス

GPUマーケットプレース「Lepton」発表 NVIDIAのプラットフォーマー戦略

 NVIDIAが世界中のクラウドからGPUリソースを調達できる「DGX Cloud Lepton」を発表した。GPUの争奪戦が繰り広げられる中、計算能力を必要に応じて利用できるマーケットプレースになるという。AI向けGPUサプライヤーとして揺るぎないトップの地位にあるNVIDIAは、自前AIインフラの整備を進めている。Leptonは何をもたらすのか――。

「計算能力を求めて、誰彼かまわず電話」

 「これは、AI開発者とわれわれのGPUクラウドパートナーのネットワークを接続する新しいコンピュートサービスであり、開発者がどこにいても強力なインフラにアクセスできるようにするものだ」。5月19日の台湾Computexの基調講演で、NVIDIA創業者でCEOのJensen Huang氏は、こう述べて「NVIDIA DGX Cloud Lepton」を発表した。

 Leptonは、NVIDIAのパートナーであるクラウド事業者が提供するGPUと、GPUパワーを必要とする開発者をマッチングするプラットフォームだ。開発者は、オンデマンド、あるいは長期レンタルでGPUパワーを調達して、データやユーザーに近い場所でAI機能を活用できるという。

 パートナーとして、CoreWeave、Crusoe Energy Systems、Foxconn、Lambda、SoftBankなど10社の名前が挙がっており、「数万台規模」のGPUが利用可能という。パートナーの顔ぶれは、いわゆる「Neoclouds」だ。NeocloudsはGPU特化型のクラウドを展開している事業者で、AIの台頭とともに注目を浴びている。

 このLepton導入の背景について、NVIDIAクラウド部門バイスプレジデントのAlexis Bjorlin氏は、以下のようにReutersに説明している。

  「(GPUニーズで)ほとんど誰もが、利用可能な計算能力を求めて、誰彼かまわず電話しているような状態だ」 「Leptonは、それをシームレスにする。なぜならエコシステムの成長と発展を促し、すべてのクラウドがNVIDIAの開発者エコシステム全体にアクセスできるからだ」

 Leptonは早期アクセスの申し込み受付中だが、Reutersによると、Bjorlin氏はそのビジネスモデルや手数料・料金を取るのかは、明確にしなかったという。