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GPUマーケットプレース「Lepton」発表 NVIDIAのプラットフォーマー戦略

相次ぐ買収で「AI Factory」を構築

 「GPUのマーケットプレース」というアイデアはNVIDIAが発明したものではない。同社は今回、既存のサービスを買収することでサービスを迅速に開始できたようだ。

 3月下旬、NVIDIAが“GPUリセラー”のLepton AIとの買収交渉中で、合意が近いとThe Informationが報じた。買収額として数億ドルを提示したという。Lepton AIは、2023年創業のスタートアップで、「NVIDIAの最新GPUを搭載したAI専用サーバーを必要な期間だけ貸し出す」というビジネスを展開していた。

 今回、Lepton AI買収に関する公式発表は出ていないが、成立した模様だ。Lepton AIのWebサイトは現在、NVIDIAのDGX Cloud Leptonのサイトにリダイレクトされている。

 NVIDIAは、3月にもAI訓練用の合成データを提供するスタートアップGretelを買収したばかりだ。また昨年には、4月にAIワークロードのオーケストレーションプラットフォームのRun:ai(イスラエル)を買収。5月にAIモデルの推論コスト最適化ソリューションを提供するDeci AI(同)を相次いで買収している。両社の買収額は合わせて約11億ドルと報じられている。

 これらは、いずれもハードウェア層の上でAIソリューションを構成するソフトウェア群だ。

 NVIDIAはここ数年、「AI Factory」を掲げている。「データ取り込み、学習、ファインチューニング、大量推論まで、AIライフサイクル全体を管理してデータから価値を生み出すインフラストラクチャ」と説明しており、自前のAIインフラを構築してきた。

 次々に行ってきた企業買収は、その要素となるものだ。その中でもLeptonは「地球規模のAI Factoryを構築するための基盤」(Huang CEO)と位置づけられている。