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関税ショックが直撃 AIインフラ投資に暗雲
2025年4月14日 11:33
Trump大統領の新しい関税政策は、クラウド大手とAIインフラ投資にも衝撃を与えている。高い税率は、生成AIを支える大規模データセンターの建設コストを押し上げ、企業の投資判断にブレーキをかける要因となる。一方で、過去の不況時と同様、企業のテクノロジー活用が加速するという見方もある。
10億ドルのデータセンター建設が延期に
4月2日の“解放の日”に米国が発表した関税計画は世界に激震を引き起こした。株価は急落し、経済・産業界はそれぞれ、今後の展開を見極めようと躍起になっているところだ。さらに、一時停止や報復税率の積み上げなど混沌としている。
そんな中、4月7日、Microsoftがオハイオ州で計画していた3つのデータセンターの建設が延期になったと報じられた。昨年10月に発表した3カ所(総投資額10億ドル)の計画で、地元メディアの10TVによると当面は農地として利用可能な状態を維持しつつ、道路や公共設備のインフラ整備は行う予定という。
Microsoftは昨年末からデータセンターの見直しを行っている。国内外でデータセンターのリース契約をいくつも解除し、建設面でもインドネシアと米ウィスコンシン州の計画を再検討している。背景には、OpenAIとの関係の変化や、脱「スケール則」の動きがあるとみる専門家もいる。
今回のオハイオ州の建設延期も、その流れである可能性があるが、このニュースは特に米国外では関税政策の影響として大きく報じられている。
Microsoftは「戦略的に一部のインフラのペースを調整する」と説明しており、決定の詳細な経緯は分からない。しかし、AIインフラに費やす資金が莫大で、先行きの不透明さがブレーキになっていることは間違いない。