Infostand海外ITトピックス

VMwareの「ESXi」無料版が復活 Broadcomの狙いは?

 VMwareのハイパーバイザー「ESXi」の無料版が復活した。BroadcomはVMwareを買収したあと戦略を転換し、サブスクリプションを軸とする製品の再編を行った。その中で、人気のESXi(2001年公開当時は「ESX」)の無料版はなくなっていた。突然で静かな復活には、どんな狙いがあるのか――。

ESXi無料版が「分かりにくい形」で復活

 ESXiの無料版の復活は、最新版であるESXiバージョン8.0 Update 3eのリリースノートで報告された。

 「What's New」に、次のようなくだりがある。「エントリーレベルのハイパーバイザーであるVMware vSphere Hypervisorバージョン8を提供します」「Broadcomサポートポータルから無料でダウンロードできます」。

 その際、VMwareはプレスリリースも出さず、ブログやXなどソーシャルメディアでの説明もしなかった。

 The Registerは、14日付の記事で「VMwareは無料のESXiハイパーバイザーを分かりにくい形で復活させた」と報じた。従来の方針の変更となるため、VMwareに新リリースと機能の詳細について問い合わせたが、回答は得られなかったという。

 無料版をダウンロードするには、Broadcomのカスタマーサポートポータルに登録する必要がある。Broadcomは3月下旬、製品バイナリの取得にダウンロードトークン(顧客固有識別子)を導入しており、これが必要になると考えられる。

 また運用環境での利用はできず、vCenterに接続できないため一元管理もできないなどの制限がある。