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プライベートクラウド打ち出すVMware by Broadcom ユーザーからは依然として厳しい声も

VCFで「オンプレのAWS」目指す

 クラウドが主流になるにつれ、VMwareの戦略は揺れ動いた。一時期は自社でパブリッククラウドを提供したこともあったが、買収前にはハイブリッドクラウドを含むマルチクラウドとなった。それが、プライベートクラウドに絞り込まれたという流れだ。

 しかし、このことは驚きではない。Broadcomは買収完了時にVCFにフォーカスすることを明らかにしていた。

 プライベートクラウドなら市場との乖離(かいり)も少ない。ここ数年でパブリッククラウドのコスト問題が指摘されることが増えており、オンプレベンダーはプライベートクラウドに活路を見いだしているからだ。

 アナリストのコメントをまとめたFierce Networkの記事では、肯定的、批判的、両方の見解を紹介している。

 肯定的な意見は、VMwareの動きが現実に即しているとの見方だ。「この2年間、プライバシー、制御、セキュリティなどを目的にワークロードをプライベートクラウドに戻す顧客を見てきた」とZK Researchの創業者兼主席アナリストのZeus Kerravala氏は言う。

 Kerravala氏は、これまでVMwareはサイロ状態で運用されてきたが、これらを一元化できるのは良いこと、とする。

 Moor Insightsの創業者兼主席アナリストのPatrick Moorhead氏も「エンタープライズのデータの80%が今でもオンプレにある」と強調する。VMwareがVCFを「オンプレのAWS」と位置付けていることを「挑発的」としながらも、VCFの機能追加によりその位置付けを獲得できる可能性を認めた。

 その一方、Gartnerのバイスプレジデント兼アナリストのSid Nag氏は「業界のトレンドを無視している」と厳しい。VCF 9についても、既存の機能を再パッケージ化したに過ぎない、と述べている。