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NTTデータ、企業・組織間データ連携の総合サービス「X-Curia」を本格展開

 株式会社NTTデータは、企業間でのデータ連携・利活用をはじめ、さまざまな産業で構築が進むデータスペースの取り組みを支援するため、安全かつ柔軟にデータを連携・活用できる企業・組織間データ連携の総合サービス「X-Curia(クロスキュリア)」の本格展開を7月に開始すると発表した。

 X-Curiaは、企業間でのデータ連携に取り組む事業者や、業界全体での共通基盤の構築を目指す団体に向けて、構想策定のコンサルティングからソリューション導入、運用までを一貫して支援するサービス。NTTデータが推進するデータスペース事業で提供している機能やノウハウを、より広範にサービス展開し、データ主権を確保しながら高機密なデータもセキュアに扱えるデータ連携基盤サービスをワンストップで提供する。

 NTTデータは、企業が競争力の源泉である自社データを他社と共有するには、データ主権の確保や、営業秘密などを含む高機密データを利活用するためのセキュリティ面での安全性の確保など、乗り越えるべき課題に対応するため、国内外の企業・研究機関と連携して技術開発や実証を行い、信頼性の高いデータ流通を可能にする「データスペース」の構築に取り組んできた。その中で、製造業界をはじめ、さまざまな分野において企業間データ連携の構想・企画・開発に携わり、実運用に向けたノウハウと信頼性の高いデータ連携基盤の運用実績を有しているという。

 官民連携でエコシステムを形成する活動が本格的に始動するなど、企業間データ連携の社会的機運が高まる中、NTTデータはこれまでの知見と実績を生かし、サービスの本格展開を通じて、より広範な産業への支援を開始するとしている。

 X-Curiaでは、企業間データ連携に必要な「構想策定」「技術導入」「運用支援」をワンストップで提供する。

 企業や業界団体が取り組むべきデータ連携の構想立案を、戦略的な視点から支援する。顧客のビジネス環境や業界特性を踏まえ、必要なステークホルダーの巻き込み、ルール・制度の整備導入に向けたロードマップ策定など、初期段階での企画・設計をリードする。特に、業界横断での合意形成や制度設計など、構想段階での複雑な課題に対して、専門的なコンサルティングを提供する。

 サービスが提供する企業間データ連携ソリューションは、認証・認可やコネクタ(データ交換用ソフト)を提供し、データの保管場所や連携先を保有者自身が制御しながら他社とデータを共有する仕組みにより、顧客のデータ主権を確保します。また、秘匿化実行・可搬実行技術などの先端技術を活用し、複数の企業が自社データを開示することなく、統合的に処理できる機能を提供予定。これらの機能を備えたデータ連携基盤は、安全な企業間データ連携にとどまらず、高い機密性が求められるデータの利活用を実現できる点が大きな特長だとしている。

 業界団体や企業グループのニーズに応じて、必要な機能を組み合わせて提供する。例えば、外部システムとのセキュアな連携や、機密データの統合分析など、具体的な課題に応じた対応が可能。また、サービスで提供するソリューションは、政府関係組織などが策定したデータスペースのリファレンスアーキテクチャーにも対応しており、こうした官民連携の枠組みを活用することで、自社のデータ利活用をより加速できる。

 構想策定後、NTTデータの専門チームが、技術的な観点からソリューション導入を支援する。データ活用や業界知見を持つ人財が、環境構築や機能選定、設計、運用体制の整備など、実装・運用段階における具体的な技術支援を提供します。これにより、構想を確実に実現し、継続的なビジネス価値の創出につなげられるとしている。

X-Curiaの提供サービスイメージ

 NTTデータは、サービスのさらなる機能拡充と他サービスとの連携を通じて、企業間データ連携の高度化と社会課題の解決を推進。製造業、物流、医療、金融、エネルギーなど多様な産業への展開を進め、2030年までに500億円規模の売り上げを目指すとしている。