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HPEがハイブリッドクラウド管理に次の一手 CMPベンダーのMorpheus Data買収

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が、Morpheus Dataを買収すると発表した。Morpheusはクラウドインフラの管理と自動化に特化したプラットフォームの代表的企業の一つだ。HPEはハイブリッドクラウド戦略を進めており、Morpheusを手に入れることで、GreenLakeクラウドサービスを強化する。

(岡田 陽子=Infostand)

クラウド管理プラットフォーム(CMP)

 HPEは8月15日、Morpheus Dataと買収に関する最終合意に達したと発表した。買収額は非公表で、取引は、2024年度第4四半期(8~10月)初めに完了する予定だ。

 Morpheus Dataは2015年設立のクラウド管理プラットフォーム(CMP)ベンダーだ。Microsoft Azure Stack Hub、KVM/OpenStack、VMware ESXiといった主要な仮想化技術をサポートし、複数のクラウド環境を統合的に管理できる。

 プラットフォームには、アプリケーションのプロビジョニング、オーケストレーション、自動化などの機能もあり、クラウド支出と財務責任を最適化する「FinOps(Financial Operations)」を提供する。「オンプレミスにクラウドレベルの体験を、パブリッククラウドにオンプレミスレベルの管理を」(Morpheus Dataの惹句)という。

 HPEは、この分野ではOpsRampを2023年に買収しているが、OpsRampはIT運用管理やオブザーバビリティを得意としている。そのため、Morpheusとは補完的な関係になると説明している。

 Morpheusの獲得によって、「(HPEは)ハイブリッドクラウドスタックを通じて包括的な機能を提供する最初のベンダーとしての地位を確固たるものにする」(プレスリリース)という。