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リコージャパン、オフィス空間を一元的に管理・運用するサービス「RICOH Spaces」
2025年7月3日 06:15
リコージャパン株式会社は、ワークプレイス一元管理ソリューション「RICOH Spaces」を2025年7月14日から提供開始すると発表した。企業内の座席や会議室を予約するスペース予約や受付管理、利用状況の分析など、オフィス内をトータルに管理・運用するソリューション。もともと英国で実績をあげたソリューションで、今回、日本流にローカライズし提供を開始するという。
リコーグループでは、オフィスなどのワークプレイスではたらく際に社員が感じる体験や印象を向上させることを目的とした、「WE(ワークプレイスエクスペリエンス)事業」を2025年度の注力事業としている。RICOH Spacesもそのひとつで、企業が価値を最大限に発揮できるオフィス空間の構築・運用実現を目指している。
企業が価値を最大限に発揮できるオフィス空間の構築・運用を支援
RICOH Spacesは、企業が価値を最大限に発揮できるオフィス空間の構築・運用を実現するためのクラウドソフトウェア。会議室、座席、受付機能を一元管理し、利用状況を可視化できるプラットフォームとして発売する。
「オフィス空間はアナログ状態のものが多く、データ化ができていない状態にあるが、会議室予約、使用状況、センシング技術活用などによってオフィスをデジタル化することで、データを分析できるようになる。さらにデジタルトラッキングによって、オフィス内で社員がどのような動きをし、どんな活動をしているのかを分析していくことで、オフィス内でどんなことが起こっているのか、そこにどういう意味があるのか、今後はどうすればいいのかといったことを考え、改善していくフィードバックループを作ることができる」(リコージャパン デジタルサービス企画本部 ワークプレイスエクスペリエンス事業センター センター長の原田尚氏)。
ベースとなっているサービスは、英国で商品化され、991棟、3484フロア、9万6726席、7960室を管理した実績があるとのことで、ボーダフォンなど、オフィスの運用にリソースを要する中堅・大手企業を中心に提供されている。それを今回、日本企業向けにローカライズし提供するとした。
「欧州では、ワークプレイスのトータルデザイン、効率的な運用と継続改善のため、データのモニタリングと分析の重要性が増している。センサーから得る情報を活用した統合的なAnalytics提供が競合差別化要因となり、導入事例が増加した」(原田センター長)とのこと。
具体的には、「人の有無、人数カウント、センサーを使った温度、湿度、CO2計測と管理を行うために導入されている。さらに、それらにひも付けた電力使用量を計測し、適正なものか評価を行う。同時に空調を制御し、オフィスを快適にすることを進めている。また、実際の実績をもとにした座席や会議室の利用分析を行って、『大きな会議室を使っているが利用者は1人しかいない状況で遠隔会議をやっている』といった課題を洗い出し、会議室の配分をもっとうまく行うことができないかを検討することで、『トータルで分析できる』という点がお客さまに受け入れられた」とした。
7月14日から提供するのは、第1弾として、ワークプレイスの稼働状況をデータ化し管理する機能、会議室・座席のリソース管理、オンボーディングをサポートする導入支援――といった各サービスである。まずは、会議室、座席、受付機能を一元管理して、利用状況を可視化できるプラットフォームとして発売し、ワークプレイスを運用する感覚を持ってもらうとのこと。
2025年度中に第2弾として、顔認証システムなどとの連携による入退館マネジメント、受付システム拡充による来訪者対応の無人化、IoTセンサーとの連携データ分析の高度化などを実現することを予定している。多数の他社サービスと連携し、データの蓄積・活用も強化する考えだ。
2026年度中には、第3弾として、人流データ・空間データ活用によるコンサルティングサービス、連携するデバイスのさらなる拡大、ワンストップでの保守・管理体制の構築を目指す。あらゆるデータをダッシュボードで可視化するなど、ワークプレイスを管理するプラットフォームとして本格化することで、データに基づく改善サイクルを本格稼働するサービスとしていく狙いである。
なお、リコーの2024年度国内オフィスサービスの業績では、WE事業の売上は212億円で、前年比8%増となっている。
リコージャパンのデジタルサービス企画本部 本部長・宮本裕嗣氏は、「リコーは、『”はたらく”に歓びを』をスローガンとしている。目指すのは、オフィスワークに加え、建設業、製造業、ヘルスケア、文教などプロフェッショナルワークの現場も含め、すべての働く人の体験を豊かにするワークプレイスを提供すること。本日はオフィス空間の価値を再定義し、働く人の体験を豊かにするための試みをご紹介する」とWE事業について説明した。
WE=ワークプレイスエクスペリエンス(Workplace Experience)として、オフィスなどのワークプレイスではたらく際、社員が感じる体験や印象を向上させることを目的とした取り組みと位置づける。リコーグループでは、体験や印象の向上に最適なサービスを統合し、ソリューションとして提案、お客さま企業の競争力強化や生産性の向上、社員のエンゲージメント向上に貢献することを目指している。
次世代の「はたらくあたりまえ」を創る試みとして、RICOH Smart Huddleとしてワークプレイスの構築、ワークプレイスの運用実現を進めている。ワークプレイスに関わるデザイン・設計、家具・什器の選定、工事の施工・管理までワンストップで支援し、コミュニケーションサービス、スペースマネジメントなどデジタル技術を使ったソリューションと組み合わせて提供していく。
それを実現する人材として、「スマートハドルスペシャリスト」を社内に育成する。2025年度には90人のスペシャリスト育成を目指す。
「スマートハドルスペシャリストとして90名の人材を育成しながら、お客さまに価値提供していくということを目指していく。本日は、オフィススペースマネジメントの中核を担うサービスとして、グローバルで提供してきたRICOH Spacesの国内展開について説明させていただいた」(宮本本部長)と新サービス提供の背景を説明した。