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焦点はKubernetes自体から周辺技術へ まもなく10周年のKubernetes

 コンテナの実装管理ツールとしてKubernetesが公開されて9年がたった。11月初めに開催された年次カンファレンス「KubeCon」では、「感覚の鋭い開発者が使い始めたオープンソース技術」から、「インフラに浸透する存在」になったことが確認された。そして次なる課題も見えてきた。

「Linuxに並ぶ勢いになった」

 KubernetesプロジェクトをホスティングするCNCF(Cloud Native Computing Foundation)が11月6~9日の4日間、年次イベント「KubeCon + CloudNativeCon North America 2023」を開催した。イベントには9000人が参加し、Kubernetesの人気ぶりを見せつけた。

 「夢にも思わなかったレベルの成功」と言うのは、kubernetesを共同で創始し、現在、コアメンテナーを務めるGoogleのディスティンギッシュトエンジニア、Tim Hockin氏だ。Hockin氏は、The Registerのインタビューに答えて「現在われわれはデファクトになった」と述べている。

 実際、クラウドインフラ企業Spectro Cloudの年次調査によると、本番環境でkubernetesを利用している企業の97%が複数のクラスタを運用しており、10クラスタ以上は56%と前年(49%)から大きく増えているという。ユーザー企業333社の回答を集計した。

 CNCFのチェアを務めるPriyaka Sharma氏はイベントの冒頭、Kubernetesは数兆回ダウンロードされ、22万人以上が開発に貢献していると説明。kubernetesは「Linuxの勢い」を再現したと述べた。

 McKinseyの調査では、オープンソースのクラウドネイティブプロジェクトの経済規模は44億ドルにのぼり、その中でもクラウドネイティブ開発の中心であるKubernetesが非常に大きな存在になっているという。

 KubernatesはGoogleのプロジェクトとしてスタートし、2014年に最初のバージョンが公開された。その後プロジェクトはLinux Foundation傘下のCNCFに移籍し、中立的な立場で進められている。