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「iPhone以来の熱狂」 プラットフォーム戦略打ち出すOpenAI

 OpenAIが初の開発者向けイベント「OpenAI DevDay」を開催。カスタマイズできる「GPTs」、性能アップした「GPT-4 Turbo」などを発表した。世界に生成AIブームを巻き起こした同社のイベントは、さながら2008年のApp Storeの発表以来の熱狂とも言われる。

強力新モデルからストアまで盛りだくさん

 「ChatGPT」を世に放って1年。この1年間の生成AIブームの火付け役となったOpenAIが11月6日、初めて開発者向けイベントを開催した。年次イベントで新しい製品やサービスを大々的に発表するというIT企業の慣習にのっとり、OpenAIもいくつもの発表をこの場で行った。

 例えば「GPT-4 Turbo」は、出入力が最大計12万8000トークン(300ページ以上に相当)に対応し、学習データが2023年4月までとなった新しいモデルだ。API利用料金も引き下げた。また、マルチモーダル機能ではDALL·E 3による画像生成、テキストの音声変換などがAPIで利用可能となった。

 そして、自アプリ内で独自のAIアシスタント構築を容易にする「Assistants API」が加わった。API経由で外部のデータにアクセスし、複雑なタスクを実行できるようになる。教えたデータについては、モデルの学習に使用しないことも約束している。

 より多くのユーザーに影響を与えるのが「GPTs」だ。コーディングスキル不要で、ChatGPTのカスタマイズ版を作成できるサービスで、誰でもオリジナルのチャットボットを作れる。例として、プリンター設定やデバイスのトラブルシューティングを支援するアドバイザー的なもの、ボードゲームとカードゲームのルールに特化したものなどを紹介している。

 そして、こうして作成したGPTは、自分が使うだけでなく、「GPT Store」経由で公開して販売もできるようになる。

 ステージで多くの新製品・サービスを発表したSam Altman CEOは、ChatGPTの週のアクティブユーザーが1億人に達していることも明らかにした。