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焦点はKubernetes自体から周辺技術へ まもなく10周年のKubernetes

「どう動かすか」から「周辺技術」へ

 Kubernetesの成熟に伴い、開発者、そしてKubernetesビジネスの焦点も変わりつつある。これまでのKubeConのテーマは、Kubernetesをいかにして動かすかだったが、最近は周辺技術に移った、と専門メディアは指摘する。

 例えば、イベントを報じたSiliconAngleは「今年、アクションはクラウドネイティブエコシステムの周辺に移った」として、セキュリティ、移植性、データ管理、オブザーバビリティや観測にスポットが当たっていると解説する。

 こうした周辺技術では、例えばインフラ・アズ・ア・コード(IaaC)では、KubernetesのコンパクトなフォームファクタとしてK3s、K0s、MicroShiftなどのプロジェクトが立ち上がっている。また移植性に優れ、ブラウザ上で動作するWebAssemblyもある。

 Red HatはKubeConで、「Red Hat Device Edge」を発表した。MicroShiftをベースとした軽量のKubernetesコンテナオーケストレーションで、Red Hat OpenShift、Red Hat Ansibleなどとのの統合もサポートし、制約の多いエッジ端末でコンテナアプリを拡張できると説明する。

 また、KubeCon直前にGA(一般提供)となった「Kubernetes Gateway API」への期待も高まっている。IstioベースのサービスメッシュTetrateの幹部Devin Davis氏は「コミュニティが構築した標準のクラウドネイティブのオープンソースAPIがやっと誕生した」とコメントしている。

 このほか、クラウドネイティブアプリのテスト・デプロイプラットフォームを提供するSpeedscaleのCTO、Matt LeRay氏は、運用の問題からデータレイヤーに重点は移行していると指摘。「われわれは、複数のデータストリームとAIワークロードの管理の問題に応える」と売り込んでいる。

 基調講演には、Microsoft、Intel、Oracleなど大手も多く登壇した。Oracleは、自社クラウドOCI上のAmpere/ARMベースのコンピュートクレジットを年300万ドル、3年間CNCFに寄贈することを会期中に発表した。