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Amazonが生成AI構築サービス発表 Musk氏も参戦か

Musk氏も参戦?

 AWSの発表と同時期に、生成AIではもう1つ大きな動きが報じられた。

 直前に「強力なAI開発の6カ月間停止」を主張したElon Musk氏が、AI開発組織の立ち上げを進めていたというものだ。元DeepMindのAI研究者を採用したほか、大量のGPUをNvidiaから購入していたという。

 Financial Timesによると、Musk氏は3月9日、ネバダ州に「X.AI」という企業の登記を行って、取締役として参加しているという。(自身がCEOを務める)SpaceXとTeslaの複数の投資家に、新しいベンチャーへの投資を持ちかけているとのことで、「多数の人が投資している。これは本当であり、みな興奮している」という匿名の投資家のコメントも紹介している。

 Musk氏とAIといえば、複雑な関係でもある。2015年のOpenAI設立時にはMusk氏も出資したが、その後、運営を巡ってCEOのSam Altman氏と対立した。Musk氏は2018年に取締役を辞任し、現在では公然とOpenAIを批判することもある(決別後、OpenAIはMicrosoftの投資を受けるようになった)。

 ともあれMusk氏ほどの有名人が、本格的にAIに参入すればインパクトも大きい。

 Axiosは現状を、AIレースは始まったばかりで、話題を独占するOpenAIの勝利が保証されているわけではないと解説。かつて一世を風靡しながら敗退したブラウザーのNetscapeの例を挙げる。

 そして「OpenAIの前途にはたくさんの不確実性と障害がある」「最大の依存は、Amazon、Microsoft、Googleの3社が管理する大量のクラウドコンピューティングのリソース」と指摘する。

 Axiosは「この戦いの結果、デジタル時代の次のフェイズでどの企業が権力を握るかが決まってくるだろう」とみる。しかし、その中でビッグテックに対抗できるほどのスタートアップが生まれるとは予想しない方がよいだろう、と結んでいる。