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Amazonが生成AI構築サービス発表 Musk氏も参戦か

「機械学習のスイス」を目指す

 3大パブリッククラウド最大手のAWSは、生成AIではMicrosoft、Google(Alphabet)に出遅れたが、ここで反撃に出るようだ。

 プレスリリースでは、音声アシスタントの「Alexa」など、以前からAIを重要視して取り組んできたことを強調し、「Amazonは過去25年間、AIと機械学習の開発に多額の投資を行ってきた」と記す。

 CNBCの番組に登場したAmazonのCEO、Andy Jassy氏は「企業の多くが大規模言語モデルを使いたいと思っているが、優れたモデルはトレーニングに多額のコストと時間がかかる」「企業はすでに規模が大きく品質の良い基盤モデルを、自分たちの目的に合わせてカスタマイズしたい」と述べ、それがAmazon Bedrockで可能になるとアピールした。

 この狙いは、Jassy氏が前日付けで発表した株主向け書簡にも綴られている。「AWSが長年やってきたように、この技術を民主化する」と述べ、TrainiumとInferentiaなどのチップ、そしてCodeWhispererなどがそれを実現するとしている。

 CNBCはMorgan Stanleyのアナリストのノートからとして、2月に行ったCIO調査で、クラウド支出におけるAIの比率が増えると予想していることを紹介する。そこでメリットを受けるのは、「Amazonではなく、GoogleとMicrosoft」とノートに記されているとのことだ。

 今回大手クラウド3社が出揃ったことで、競争がまた新たな局面を迎えることになるだろう。

 AWSがライバルと異なるのは、ターゲットだ。

 Microsoft、Googleは、開発した生成AIを自社の製品に組み込もうとしているのに対し、AWSは企業顧客などに、生成系AIのモデル構築をサポートするサービスを提供しようとしている。MicrosoftとGoogle以外の企業やオープンソースの基盤モデルを使いたいというユーザーには魅力的だろう。

 The Registerは「機械学習のスイスのような中立的立場を維持する」と形容し。この分野のベンチャー企業と“win-win”の関係を築くことができると評する。