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「Amazon Clinic」発表 Amazonのヘルスケア戦略

 Amazonが遠隔医療サービスの「Amazon Clinic」を発表した。オンラインで診察や処方箋の発行が受けられるサービスプラットフォームで、米国内で提供を開始する。Amazonのヘルスケアといえば、「Amazon Care」の打ち切りが8月に報じられたばかりで、迷走しているようにも見える。同時にAmazonがこの分野をどれだけ重要視しているかもうかがわれる。

医師の診察をシンプルに

 Amazon Clinicは、患者が「一般的な健康上の問題」について自身の症状をもとに遠隔医療のプロバイダーを探せるサービスだ。認定プロバイダーを検索して予算などで絞り込み、条件に合うところが見つかったら問診票を記入する。診察料金はプロバイダーにより異なる。

 その後、医師や看護師とセキュアな通信でやりとりし、ポータルを介して診察結果や治療の処方を受ける。医師は必要に応じて処方箋を出し、患者は薬局を選んで薬を受け取る。

 もちろん、Amazonが提供しているオンライン薬局「Amazon Pharmacy」も指定できる。初診料には最初の診察から2週間のフォローアップも含まれている。

 Amazonによると、Amazon Clinicは「まだ」保険の適用が受けられない。また、対象の症状は20以上だが、ニキビ・吹き出物、結膜炎、乗り物酔い、アレルギーなど、よくある軽度の症状に限られる。ぜんそく、高血圧などの症状に対しては処方箋の更新も受けられる。

 症状がAmazon Clinicのサービスに適していないと考えられるときは、その旨を伝えたうえでプロバイダーに接続する。「医師の診察をシンプルにする」とAmazonは紹介する。

 Amazon Clinicはまず32州でスタートし、その後拡大していく予定だ。