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「Amazon Clinic」発表 Amazonのヘルスケア戦略

不明確だったヘルスケアへのアプローチ

 ヘルスケア分野でAmazonは活発な動きを見せてきた。2017年から薬局事業への参入を検討してきたといい、2018年にオンライン薬局のPillPackを買収。翌2019年秋には、遠隔の緊急ケアや診察、検査訪問などを含むプライマリーケア(1次医療)サービスAmazon Careを立ち上げた。

 Amazon Careは、自社の従業員を対象とした福利厚生の位置づけで始まった。まず本社のあるシアトルの従業員を対象にパイロットとして開始して全従業員に拡大した。そして、2020年2月、他企業向けの事業として全米展開した。

 Amazonは同年7月には、サブスクリプション形式でプライマリーケアを提供する1LifeHealthcareのOne Medicalを39億ドルで買収することを発表している。同社にとって過去3番目の大型買収で、全米25の市場で180以上の診療所を獲得することになる。現在、米連邦取引委員会(FTC)の承認待ちだ。

 さらに11月にはPillPackをベースにしたオンライン薬局のAmazon Pharmacyのサービスを開始した。

 Amazon Clinicは、こうした中でAmazonのヘルスケア分野における最新の取り組みとなる。だが、同社は今年8月に展開中のAmazon Careを年内に終了すると報じられたばかりだ。その打ち切りは、社内でも寝耳に水の話だったようだ。