Infostand海外ITトピックス

ハイブリッドクラウドからエッジへ拡大 Red HatのCEO交代

 Red HatがCEOの交代を発表した。新CEOとなったMatt Hicks氏はエンジニアとして入社して勤続16年のたたき上げだ。同社はIBMがクラウドコンピューティングで戦うための中核であり、カギを握る。この人事の概要と今後の戦略をみてみよう。

Linuxベンダーからハイブリッドクラウド技術のリーダーへ

 Red Hatは7月12日、2020年から同社を率いてきたPaul Cormier氏に代わって、プロダクトおよび技術担当エグゼクティブバイスプレジデントのMatt Hicks氏が社長兼CEOに就任したと発表した。主力製品であるLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」、コンテナプラットフォームの「Red Hat OpenShift」などの製品開発を統括していた人物だ。

 Hicks氏は2006年入社。ITチームのエンジニアとしてキャリアをスタートし、PerlアプリケーションのJava移植などを担当した。「私は古くからのオープンソース信者であり、Linuxでキャリアをスタートさせた」とVenture Beatに語っている。

 その最大の功績がOpenShiftだ。Red Hatは2011年、前年に買収したクラウドアプリケーションの実装・管理技術の「Makara」をOpenShiftブランドに変更。その後、機能の拡張とオープンソース化を進めて「OpenShift Origin」とした。

 OpenShiftは現在、コンテナプラットフォームとしてRed Hatのハイブリッド戦略を支える製品ブランドとなっている。

 オープンソース業界に明るいSteven Vaughan-Nichols氏は、Hicks氏のキャリアは「将来のCEOを考えるようなスタートではなかった」とZDNetへの寄稿で振り返っている。

 だが、Hicks氏が積極的にプロジェクトにかかわり、OpenShiftに取り組んだことで、「Red HatがLinuxベンダーだけでなく、ハイブリッドクラウドテクノロジーのリーダー企業になってゆくのを見ることになった」という。