Infostand海外ITトピックス

ハイブリッドクラウドからエッジへ拡大 Red HatのCEO交代

IBM傘下で中立と成長を両立

 IBMの買収を受け、10年以上Red HatをCEOとして率いてきたJim Whitehurst氏はRed Hat会長兼IBMの社長に昇進した(その後、IBMを離れている)。同社をオープンソース企業として初の10億ドル企業に育て上げた手腕を買われてのことだ。

 それに伴ってRed Hatを率いたのがCormier氏だった。2001年にRed Hatに入社して以来、Red Hatとともにキャリアを歩んできたCormier氏は、Red Hat Enterprise Linuxとして有償サブスクリプションモデルを導入した。Red Hatは、このモデルによってオープンソースがビジネスとして成立しうることを示した。

 カリスマ的存在だったWhitehurst氏が去ったあと、Cormier氏はCEOとして、IBM傘下にありながら中立性を維持しつつ成長するという難しい仕事を進めた。これは一定の成功をおさめたようで、Red Hatの直近の四半期(2022年度第1四半期)の売上高は前年同期比21%増を記録している。

 そのCormier氏が退任するのではとのうわさが、今年5月の「Red Hat Summit」で広まっていたと、Vughan-Nichols氏は振り返っている。

 結局、Cormier氏は退任することなくCEOから会長となった。今後は「ポートフォリオの成長とリーダーシップ開発にフォーカスした活動」に集中するという。また「顧客とパートナーがさらに効率良くRed Hatの戦略に合わせること」「買収戦略」も責任分野に挙げている。

 Hicks氏、Cormier氏はともに、IBMの会長兼CEOのArvind Krishna氏の直属となる。