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猛暑でクラウドが停止 データセンターの熱対策に課題

 今夏、北半球の多くに熱波が襲来し、各地で暑さによる死者や山火事などが続いている。この猛暑で英ロンドンでは、データセンターが稼働停止し、クラウドサービスが広範囲にダウンするという事態になった。熱はデータセンターの大敵だが、想定を上回る暑さだった。地球温暖化でクラウドベンダーも対策の見直しを迫られそうだ。

40度超の猛暑がデータセンターを直撃

 ロンドン市内のデータセンター停止は7月19日、少なくとも2カ所で起こった。その前の7月15日、英気象庁は気温がセ氏40度を上回る可能性がある「赤」レベルの警告を初めて出していた。実際、19日に40度を超え、一部の地域では40.3度を観測。英国の観測史上最高気温を記録した。

 最初に停止したのはOracle Cloudだ。19日午後1時、「季節外れの気温」のため「UK South」(ロンドン)データセンターで冷却システムの一部に問題が発生したと報告している。これを受け、制御不能なハードウェア故障を予防するためサービスインフラの一部を停止することを決断したという。ネットワーキング、Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Block Volume、OCI Compute、OCI Object Storageなどのサービスに影響があったようだ。

 その数時間後、今度はGoogle Cloudの「europe-west2」のデータセンターで問題が報告される。これによって、Google Cloud Storage、Google BigQueryなど多数のサービスが影響を受けた。WordPressのホスティングを行うWP Engineが英国でホスティングするWordPressのサイトがダウンするなどの支障が伝えられている。

 対応の結果、Google Cloudは同日の深夜に対策が完了して翌朝サービス復旧となった。Oracle Cloudも翌日午前中に復旧している。