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「オブザーバビリティ」 IT運用管理の新潮流
2020年11月9日 11:26
「オブザーバビリティ」(observability、可観測性)をキーワードとした動きが活発だ。システムの異常検知だけでなく、発生の原因や、動作がどうなっているかまで把握するというIT運用管理のトレンドだ。ベンチャー企業や既存ベンダーが、続々とオブザーバビリティを冠した製品を投入しており、入り乱れての戦いになりそうだ。
包括型運用管理のSplunkスイート
IT運用管理のためのログ解析ツールで知られるSplunkは10月20日、年次イベントで新スイート「Splunk Observability Suite」を発表した。これによって、ITやDevOpsチームは、インフラとアプリケーションの性能のモニタリング、ログ調査、トラブルシューティングまで単一のスイートで行うことができるという。
同社が2019年に買収したクラウドアプリケーションのモニタリング技術ベンチャーのSignalFxの製品を基盤に、オンプレミスのアプリケーションやインフラだけでなく、クラウドも対象にできるようになった。
Splunkの従来の製品も、オブザーバビリティ機能を備えていたが、新たに1つのスイートとして提供する。「あらゆる規模に拡張でき、リアルタイムでデータの追跡やインデックスができ、ダウンタイムを最小化してデジタル体験を改善できる」(Splunk)という。
同社は合わせて、PlumbrおよびRigorの2社を買収すると発表した。Plumbrはアプリケーション性能モニタリング(APM)のベンチャーで、Rigorはユーザーから見た性能を測定する合成モニタリングと最適化エンジンを組み合わせたプラットフォームを持つ。
両社の技術は共に、Splunk Observability Suiteを補完するものとなる。