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「オブザーバビリティ」 IT運用管理の新潮流

Snowflakeでサービス提供するベンチャーのObserve

 オブサーバビリティという言葉は、その起源を1960年代までさかのぼれる。線形動的システム分野の専門家であるRudolf Kalman氏が提唱したのが最初と言われている。Kalman氏は制御理論において「外部出力の知識からシステムの内部状態をどれだけうまく推論できるかの尺度」と定義した。つまり、オブザーバビリティを得ることで、システムの内部状態がどうなっているかが分かる。

 そのオブザーバビリティを社名と製品名にするObserveというベンチャーも出てきた。10月初めにステルスモードから脱したが、ベンチャーキャピタルなどから3500万ドルを調達している。SaaSでオブザーバビリティを提供し、「ログ解析、インフラモニタリング、アプリケーション性能管理など200億ドル以上の市場を補完する分野になる」としている。

 Observeは、さまざまなデータソースと接続してデータを収集し、相関関係をユーザーに示す。データを取り込み、まとめて分析するのだ。製品では「Landing Pages」とするダッシュボードを利用してシステムの状態をすぐに把握でき、関連性を示すUniverse Mapsなどの機能も備える。

 Observeの大きな特徴は、DBaaS(データベース・アズ・ア・サービス)として注目を集めるSnowflake上で展開する点だ。これにより、拡張性を得られるとObserveは説明する。

 そのObserve社を率いるのは、EMC(その後、Dell EMC)の最高マーケティング責任者を務めたベテラン、Jeremy Burton氏だ。Splunkや、サーバー監視のDatadogなどに真っ向から勝負を挑む。

 「(ユーザーは)いずれ、(Splunkなど)3つの製品を買うのでなく、われわれのObserveだけで全部できることに気がつくだろう」とBurton氏は自信を見せる。

 Splunkの場合、別々のリポジトリで収集するところを、Snowflakeを使うことで、さまざまなデータフォーマットを単一のリポジトリに収集できるようだ。なお、Burton氏はSnowflakeの取締役でもあり、プラットフォームとしてのSnowflakeの活用事例としてもアピールしている。