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クラウド事業者にも岐路 5Gサービス本格展開で相次ぐ提携

 IT業界だけでなく、産業を一変させるとの期待も高い5Gサービスの運用が各国で次々に始まっている。通信(テレコム)事業者にインフラを提供するクラウド事業者も活発に動いており、ソリューションの発表や提携が相次いでいる。クラウドにとって5Gは“次の戦場”になる。

IBMのテレコム向けプラットフォームとエコシステム

 IBMは11月5日、テレコム向けプラットフォーム「IBM Cloud for Telecommunications」を発表した。同社はArvind Krishna CEOの下、ITインフラの構築・運用に特化した新会社を分社化すると10月に発表したばかり。新サービスは、この方向に沿ったもので、オープンなハイブリッド・クラウドアーキテクチャを通信事業者に提供する。

 買収したRed Hatのコンテナ基盤「Red Hat OpenShift」と、オンプレミスでIBM Cloudを展開できる「IBM Cloud Satellite」を基盤としており、業界の要件に対応しながら、クラウド、オンプレミス、エッジのどこでもサービスを展開できるとしている。

 また、エッジコンピューティング環境管理「IBM Edge Application Manager」、テレコム向けのクラウド管理「IBM Telco Network Cloud Manager」などを活用してネットワークコアからエッジまでを管理。ネットワークの変更と拡張に対応し、インフラコストの削減や自動化で迅速にサービスを実装できるという。

 IBMは、クラウドを軸としたテレコム向けのエコシステムを構築することを目指しており、約40社のパートナーとともに、包括的なソリューションを提供するとしている。

 これには、Cisco SystemsやNokiaなど大手通信機器メーカーや、Hewlett Packard Enterprise(HPE)やDell Technologiesなどのハードウェアメーカー、また、Open RAN(オープンインタフェース仕様に基づいて構築する無線ネットワーク)のクラウドネイティブソフトウェアを持つMavenirも名を連ねている。