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コンテナプラットフォームで挑む HPEの「Ezmeral」

「仮想化に縛られないモダンさ」

 Ezmeralは、HPEが買収したBlueDataとMapRの技術を基盤としている。

 Sreekanti氏は、MapRのファイルシステムによる永続ストレージ、BlueDataによる堅牢なAIと機械学習機能などを差別化に挙げている。ステートフル、ステートレスの両方のワークロードを動かすことができ、クラウドネイティブのクラウド体験でも、データセンターのオンプレミスワークロードでも、エッジでのリアルタイムでも同レベルの体験を実現する、とCRNに語っている。

 Sreekanti氏自身は、BlueDataを共同創業しCEOを務めていた。その前は、VMwareでR&Dバイスプレジデントとして、クラウドインフラのストレージとアベイラビリティの責任者だった。

 Sreekanti氏は「ベアメタルでネイティブに動かすことができる。既存の仮想化技術は必要ない。もちろん仮想化で動かしたいなら動かすことができる」とEzmeralの「モダンさ」を強調する。

 また「古い仮想化パラダイムに縛られていない」と述べ、ライバルDell傘下のVMwareと暗に対比して見せた。

 Ezmeralをサービスとして提供するのがGreenLakeとなる。イベント中にコンテナ、機械学習オペレーション(MLOps)、仮想マシン、ストレージ、コンピュート、データ保護、ネットワーキングなどのITをサービスとして提供するクラウドサービスも発表した。エッジからクラウドまで、顧客が選ぶ環境でこれらのサービスを利用できるというものだ。

 プレスリリースでは、70%のアプリケーションがクラウド外にあるというIDC調査を引用。Neri CEOは「HPE GreenLakeクラウドサービスを通じて、一貫性のあるクラウド体験をどこででも利用できる」と述べている。

 Sreekanti氏によると、HPEはソフトウェア分野で現在8000人以上の開発者を抱えるという。ここが主戦場であることは間違いない。

 Ezmeralはスペイン語でエメラルドを指す「esmeralda」からの造語だという。HPEのコーポレートカラーであるグリーンのパワーストーンでもある。その名の通り、HPEにパワーを与えられるか――。