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AWSの堅牢エッジデバイス「Snowcone」 "戦略エッジ"との関係は
2020年6月29日 11:40
AWS(Amazon Web Services)は、コンパクトで堅牢なエッジデバイス「Snowcone」の提供を開始した。ティッシュ箱サイズのケースにデータ暗号化や通信機能を備えたヘビーデューティなエッジアプライアンスだ。IoTを支える「エッジコンピューティング」はクラウドベンダーにとって次の大市場であり、競争の場でもある。
バッテリー駆動の堅牢アプライアンス
Snowconeは、A5判サイズ(約23×15×8センチ)の筐体に8テラバイトのストレージと4GBのメモリ、2つのvCPUを搭載し、重さは4.5ポンド(約2.1キロ)。Wi-Fiおよびイーサネットポートで外部と接続。データはAWSのサービスで全て暗号化する。AWS Snowファミリーの最新、最小のラインアップだ。
Snowシリーズは「データセンター外で動作するよう設計されたデータ移送用のデバイス製品」だ。最大100テラバイトのストレージを内蔵するスーツケース大の「Snowball Edge」や、エクサバイト規模のデータを収められるコンテナ型で、トレーラーでけん引する「Snowmobile」などがある。
これらに対しSnowconeは、持ち運びが簡単で、どこでも使えるのが特徴だ。USB-Cポートからの給電や、オプションのバッテリーで、利用場所を選ばない。
Forbesに寄稿したコンサルタントのJanakiram MSV氏は、「2つのvCPUだけで処理能力が限られる」ことや、「GPUサポートがなくAI推論の高速化には適さない」ことなどを指摘しながらも、「バッテリー駆動で、新しいシナリオやユースケースに対応できる」と評価する。
AWSは活用例として、「アウトドア撮影でのデータ保管とクラウドへのアップロード」(Flickr)や、「災害被災地域の人や、その資産を調査する実地演習でのエッジのセンサーハブ」(セキュリティ分析のNovetta)などを挙げている。ネットワーク接続が断続的、あるいは全くない、また電源が確保できないような場所で真価を発揮するという。
Snowconeは既に米国内の2リージョンで提供開始となっており、AWSは今後数カ月で他リージョンに拡大してゆく予定だ。
こうした堅牢エッジデバイスを用意しているのは、AWSだけではない。