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ハイブリッドクラウド戦略をエッジに拡大 Red Hat買収を生かすIBM

 Red Hat買収の成果が見え始めたようだ。5月5日、6日の両日に開催されたオンラインイベントでIBMの新CEO、Arvind Krishna氏は、Red Hatのクラウド技術を活用した戦略を確認するとともに、エッジコンピューティング製品も発表。Red Hatが強いテレコム業界にアピールした。

Red Hat技術をベースとする新サービス

 IBMのオンラインイベント「IBM Think Digital Event Experience」は4月6日付でCEOに就任したKrishna氏のイベントデビューにあたり、世界から6万人がバーチャルに参加した。その中でKrishna氏は「ハイブリッドクラウド」「AI」を中心に、量子コンピュータとブロックチェーンという新しい技術を活用するというメッセージを送った。

 同社はパブリッククラウド「IBM Cloud」を有する一方で、ハイブリッド戦略を全面に展開することを宣言している。そこでは「Red Hat OpenShift」などのコンテナ技術を有するRed Hatが重要な役割を果たす。

 今年のイベントでは、「IBM Cloud Satellite」として、IBM Cloudをオンプレミス、エッジとさまざまな場所に実装できるサービスを発表した。Red Hat OpenStackとRed Hat OpenShiftをベースに構築したもので、各サービスをダッシュボードから一元的に管理できるという。

 IBM CloudのCTO、Hillery Hunter氏はIBM Cloud Satelliteについて、「ワークロードを最も意味のある場所」で実行可能で、「(IBMは)他のパブリッククラウドとは異なり、明示的に、オープンソースのKubernetesとOpenShift-as-a-serviceの基盤で構築されている」と差別化を説明した。SDX Centralが伝えている。

 またAIでは「Watson AIOps」を発表した。同社は昨年、Kubernetesへの対応でWatsonを他のクラウドでも動かせる「Watson Anywhere」を発表しているが、今年はITオペレーションの診断と対応を自動化。オンプレミス、クラウド、さらにはSlackやBoxなどSaaSまで対象とした。

 そして新しい分野でのRed Hatとの成果を披露した。エッジコンピューティングと5Gへの展開だ。