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ハイブリッドクラウド戦略をエッジに拡大 Red Hat買収を生かすIBM

Red Hatの勢いをそがずに変革

 今回の発表へのアナリストたちの評価はどうだろう?

 Moor Insightsの通信担当シニアアナリスト、Will Townsend氏はForbesに寄稿し、買収発表時はRed HatとIBMの組み合わせに懐疑的だったが、考えを変えたと語っている。

 同氏は以前、スピーディな動きで通信業界を変えてきたRed Hatの勢いがIBMにそがれる、と予想した。しかし、いまは「IBMがRed Hatをテレコム向けポートフォリオに統合したスピードに驚いている」と再評価したことを認めている。

 そして、「クラウド化とエッジは、通信事業者が必要な容量、低コスト、さらに新しい5Gサービスを提供するための重要なツールとなる。両社をフォローしてゆくのは興味深い」と述べている。

 一方Market Watchは、成長のためにはRed Hatに頼るしかないというIBMの実情を分析した。同社も、新型コロナで多くの企業がテクノロジー支出を見直す中で戦略構築を迫られている。

 Krishna氏は、基調講演で新型コロナや気候変動に対処するためにも開発を加速させ、投資をすべきだと述べた、だが、新型コロナは同社の事業にも影を落としている。

 通信、ヘルスケア、製薬など新型コロナで支出カットに見舞われていない業界はあるものの、航空や小売など直撃を受けた業種は苦境に立たされている。概してインパクトが小さいと言われるSaaSでも、新規契約が軒並みキャンセルになっているという

 「Red Hatとメインフレームからの売り上げへの貢献がどのぐらい持続するのかは分からない」と同社が不確実性に直面していることをMarket Watchは指摘する。