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進展遅い企業のAI導入計画 2020年AI予想

2020年、どう取り組むべきか

 PwCは、調査を踏まえて、AIを導入する企業が取り組むべき項目を挙げている。

  • 社内プロセスのための生産性向上のため、まず退屈な人的作業である書類からの情報抽出を行う
  • タコつぼ型の教育を出て、職域を越え、互いにコミュニケーションがとれるスキルアップを進める
  • AIを使うにあたって、より厳格なリスク管理と責任の体制を構築する
  • 統合され、規模を持った運用を行い、AIの本領を発揮できるようにする
  • ビジネスモデルの改革

という5項目だ。

 いずれもAIという技術の採用よりも、AIに合わせて組織を変革するよう求めている。「AIを特効薬または単一のソリューションとしてではなく、より広範な自動化またはビジネス戦略の一部として扱うことが不可欠」(PwC)ということだ。

 ところで、2020年の注目のAI技術は何だろう CRNがまとめた「AIと機械学習で2020年に注目すべきトレンド」は、2020年が「AI分野の次の10年のイノベーションの方向を決める重要な年」とした上で、次の6項目を挙げている。

 (1)説明できるAI、(2)自律AI、(3)AIセキュリティ、(4)会話AI、(5)AIインフラ、(6)クラシック機械学習は、なお重要であり続ける――というものだ。5つ目までは、いずれもよく挙げられるテーマで目新しさはないが、6つ目の「クラシック機械学習……」は何だろう――。

 Garterの調査では2022年にかけて、企業の4分の3以上が、古典的な機械学習で済む領域にまでディープ・ニューラルネットワークを利用する計画であることが分かったという。つまり明らかにオーバースペックな技術を高いコストをかけて使おうとしているわけだ。

 ディープラーニングの派手な成果に目を奪われがちだが、機械学習の“クラシック”な手法もなお十分に有効だという。Garterも企業は、AIにも選択肢があることを理解すべきだと指摘している。