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進展遅い企業のAI導入計画 2020年AI予想

 2020年は「企業にAIが浸透し、花開く年」になるのだろうか? AIは引き続き、最注目テクノロジーであり、あらゆる産業、社会までを変える可能性を持っている。もちろん企業の期待も大きい。だが、年末に発表になったいくつかのAI関連レポートでは、AIの展開計画を後退させている企業が目立つという。

1年前の勢いはどこへ

 企業のAI(および機械学習)計画に変化が現れている。1年前、本欄で紹介したPwCのレポートでは、「来年、AIを企業規模で展開する計画」は20%に達していた、しかし、今年のレポートでは5分の1の4%にまで激減している。米国でAI戦略に関与している企業幹部1000人余りに聞いたレポート「2020 AI Predictions」の結果だ。CFO.comなどが紹介している。

 アンケートでは、翌年のAIの利用計画について5つの選択肢から選んでもらった。最も多かったのが「利用の調査」の42%。以下、「個別エリアのパイロット」 (23%)、「複数エリアで実装」 (18%)、「複数エリアに展開する計画」 (13%)という順。「企業規模で展開」は最下位だった。

 AIの本格活用に意気込んでいた企業のかなりの割合が、いまだ計画・検討の段階から脱せずにいることがうかがわれる。一時の熱狂的なAI期待が冷めたのだろうか。

 同様の傾向はGartnerも報告している。同社のCIO調査では、「社内でAIアプリケーションを展開している」と答えたCIOは、昨年の14%から今年は19%に増加している。

 ただし、昨年の調査では23%が「1年以内に社内にAIアプリケーション展開する」と答えていたので、差の5%しか実行に至らなかったことになる。

 この調査を解説したGartnerのバイスプレジデント、Svetlana Sicular氏は「何かがAIを失速させている」とPCMag.comに述べている。