Infostand海外ITトピックス

「企業はAIにどう取り組む、どう変わる」 2019年AI予想

 AIブームが続いている。2018年を通じて、AI関連のニュースを目にしない日はないほどだった。そして年末を迎え、来年の動向、トレンドを取り上げた「2019年予測」の記事やレポートがどっと出ている。これらを見ると、AIの勢いは衰えるどころか、加速しそうだ。いくつか予想を拾いながら、特に企業の観点から概観してみる。

2019年、AIはますます重要に

 専門家やレポートの2019年の予想は、より広い分野の産業で、AIが当たり前のように活用されるようになるとの見方で一致している。

 作家でビジネスインテリジェンス分野を得意とするBernard Marr氏は、Forbesに寄稿した「5つの重要なAI予想」の中で、「企業はAIができることと、できないことの現実をしっかり把握し始めた」と述べている。来年は企業が、収益につながるか、失敗に終わるか、領域を特定して見極め、パイロット段階から展開期に移行するとみる。ここ数年の準備段階が2018年に終わり、活用が本格化するとの予想だ。

 技術企業のエグゼクティブたちの予想をまとめたeWeekは、AIは「もはや“何か”でなく“どう使うか”になる」(Indicoの創業者Tom Wilde氏)、「コモディティの時代に突入する」(Salesforceデータサイエンス担当VPのVitaly Gordon氏)などの声を紹介する。

 エグゼクティブたちは、企業があらゆる分野でAIをビジネスソリューションに活用する道を模索していると指摘。また、GoogleのAIモデル構築サービス「AutoML」のように、細かい技術を知らなくても利用できるツールの登場が利用を加速していくと予想する。

 SalesforceのGordon氏は「AIに関してわずかな訓練しか受けてないか、全く受けてない人たちが、将来のAIアプライアンスのほとんどを構築するようになるだろう」と述べている。

 予想ではほかに、「AIアシスタントが真に便利になる」「AIがIoTをスマートにする」などテクノロジーがもたらすメリットを挙げた項目が多い。同時に、「“透明なAI”への移行」「“説明できるAI”の勃興」など、ブラックボックス化している“AIの判断”に対して、「なぜ、そう判断したのか」を人間にも分かるようにする取り組みが進むと予想している。