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進展遅い企業のAI導入計画 2020年AI予想

何が失速させているのか

 AIを採用する際の問題のトップ3は「スタッフのスキル」「データの範囲と質」「AIの利点と利用の理解」とGarterの調査は挙げている。特に「スタッフのスキル」が56%と圧倒的で、2位の「データの範囲と質」(34%)を大きく引き離している。

 スキルはAI導入の障壁としてよく挙げられる。しかし、そこで企業が考えている人材は、しばしば「想像上のデータサイエンスの専門家を探すようなもの」だとSicular氏は例える。

 Sicular氏は、AIの活用は実際には“チームスポーツ”のようなものであり、「ビジネスアナリスト、開発者、マーケティング担当者らが協力して取り組むべきだ」と説明。またAIの採用計画を失速させている最大の問題は「アイデアの欠如」だとも指摘している。

 一方PwCも、企業規模での展開計画が後退した理由として、企業がAIプロジェクトを拡大する前にまずAIの基礎に取り組む必要を認識したためと分析している。やみくもに、エンジニアやデータサイエンティストを採用しても、体制が整ってなければ実装まで到達できない。

 PwCは昨年のレポ-トで、AIソリューションの利用には、データの「クレンジング」や「ラベリング」という分析のための前処理の重要さを指摘していたが、果たして、これを実感しているのではないか、とCFO.comは述べている。