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Microsoftが逆転獲得 国防総省のJEDIクラウド契約

政府クラウドでMicrosoftがリード

 契約獲得はMicrosoftにとっては快挙だ。Amazon有利とみられていた中、自らを要件に適合させることで追いつき、最終的に抜き去ることに成功した。

 NextGovは「Microsoftのアドバンテージは、ペンタゴンとの、より深い関係からもたらされた可能性がある」と述べている。

 例えば昨年11月、同社の「Microsoft HoloLens」が陸軍歩兵用の次世代データ閲覧ヘッドセットに採用された。また、同社はペンタゴンのオフィスクラウドでも優位にあり、Office 365 Suiteで、軍用エンタープライズ・オフィス・ソリューションの契約の中心にあるという。

 New York Timesによると、Wedbush Securitiesのアナリストで、JEDIを詳しくフォローしてきたDaniel Ives氏は「連邦政府は今後数年間でクラウドコンピューティングに約400億ドルを費やす予定であり、MicrosoftはJEDIの契約のリードで、その獲得競争の首位に立った」と述べている。

 逆に、Amazonには大きな打撃になるとみる。同社は昨年、バージニア州アーリントンのワシントンDC近くに、2万5000人が働く新施設を建設。政府関連事業に対応すると発表したばかりだ。

 一方、Wall Street Journalは、Microsoftの契約獲得は、既に敗退したOracleになんらかの利益をもたらす可能性がある、とも指摘する。OracleとMicrosoftは今年初め、クラウドの相互運用性で提携している。

 なお、今回のベンダー決定に至る間には、またぞろTrump大統領の職権乱用の疑惑も飛び出している。

 James Matis前国防長官のスピーチライターで、退役した元海軍司令官、Guy Snodgrass氏が10月29日に出版する著書で、Trump大統領がAmazonを契約から外すよう指示したことを暴露しているという。

 Reutersなどが伝えているもので、Trump氏は、Matis前長官に「Amazonをscrew(つぶして)して」、他社に発注するよう求めたという。Matis氏はこれには従わず、DoDの高官に「この件は、法的にも倫理的にも規則に従って処理される」と語ったとのことだ。