Infostand海外ITトピックス

「AWS Nitro」対抗のチップ発表 CiscoのドリームチームPensando

 Cisco Systemsの前CEOのJohn Chambers氏が再び表舞台に躍り出てきた。ひっさげてきた製品はAWSに対抗するチップとソフトウェアだ。自身が会長に就任したスタートアップPensando Systemsがステルスモードから脱し、いよいよ展開を始めるという。20年間にわたってCiscoを率いてきたChambers氏が組むのは、同社のヒット商品を生み出してきた4人組。業界の注目を集めている。

「AWS Nitro」の5~9倍のメリット

 「現在の市場のリーダーであるAmazon Web Services Nitroよりも技術的利点が得られる」。Pensandoの10月16日のプレスリリースは、こう説明している。NitroはAmazon EC2インスタンスの次世代の基盤で、専用ハードウェアと軽量のハイパーバイザーを組み合わせることで速度、セキュリティ、価格性能比などを改善するというAWSの新技術だ。

 これに挑むPensandoは「ソフトウェア定義のエッジサービスプラットフォーム」として、プログラマブルなプロセッサやソフトウェアスタックを開発する。今回発表したのは、ハードウェアに挿入できるアクセラレーションカードの「Naples 100/Naples 25」、そしてセキュリティと管理の「Venice」だ。

 Naples(Naples Distributed Services Card)は、カスタマイズした分散型インフラを構築できる技術で、リニアに性能を拡張でき、ベアメタル、仮想環境、コンテナ化されたワークロードをサポートする。これによって高性能なクラウド、コンピュート、ネットワーキング、ストレージ、セキュリティ機能を実現するとしている。Veniceは、実装を中央で管理するための技術だ。

 狙うのはクラウドサービスプロバイダや大規模なシステムを構築するエンタープライズだ。Pensandoによると、現在のアーキテクチャと比較して生産性、性能、スケールで5倍から9倍の改善を実現可能で、ロックオンのリスクはない、という。