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実は好調? クラウド事業の数字を公表しないGoogle

 ハイテク各社の決算発表が出そろう中、クラウドでトップグループの一角を占めるGoogleは今回もGoogle Cloudの具体的な数字の公開を見送った。AWS、Microsoftの後を追うGoogleだが、その注力に対して、どれだけのパフォーマンスを出しているのかは意外に明確になっていない。「その他」の一部として扱われる同社のクラウド事業は一体どうなっているのか? 各メディアが推測している。

大型案件が倍増、だが数字は公開せず

 Googleの親会社Alphabetは2月4日、会計年度2018年第4四半期(10-12月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比22%増の392億7600万ドル、純利益は89億4800万ドルとしている。クラウド事業を含む「その他」項目の売上高は、前年同期比31%増の約65億ドルで、成長率は前期(29%)を上回った。

 「その他」には、クラウドのほか、「Pixel」「Google Home」などの自社ハードウェア事業などがあるが、Google Cloudがほとんどを占めるとみられている。その中には、IaaSを含む「Google Cloud Platform」と、Googleサービス群「G Suite」のSaaSがある。

 GoogleのCEO、Sunder Pichai氏がカンファレンスコールで述べたクラウド関連のポイントをZDNetがまとめている。次のようなものだ。

  • GCPで100万ドル以上の契約数が2倍以上に増加
  • 複数年契約も倍増
  • G Suiteの優良顧客数は500万以上
  • 1億ドル以上の契約数が増加

 ZDNetは、Pichai氏の「大規模な契約獲得ができている。ここでしっかりと実行したい」というコメントも引用している。また、CFOのRuth Porat氏は「GCPはAlphabetにとって最も急速に伸びている事業の1つ」と述べたという。

 ZDNetはGCPのランレートを60億ドルと割り出している。これは、AWSの256億5000万ドル、Microsoft Azureの110億ドルと比べると低く、これがGoogle Cloudの業績を公表しない理由だろうとしている。

 ライバルの方は、AWSの直近の四半期売上高が74億3000万ドル(前年同期比45%増)。Azureを含む「インテリジェントクラウド」が93億7800万ドル(同20%増)だ。