クラウド特捜部
プレーヤーがそろい表舞台に立つOpenStack
(2014/4/4 06:00)
OpenStackは、IaaSクラウド構築のオープンソースのソフトウェア プロジェクトとしてユーザーに採用され始めている。
クラウド Watchでも、2011年にOpenStackの概要に関して解説したが、当時から3年がたち、OpenStackを取り巻く環境も大きく変化している。そこで、今回はOpenStackの現状とロードマップ、採用状況などを解説していく。
ターニングポイントはFoundationの設立
OpenStackプロジェクトは、米国のパブリッククラウド事業者のRackspaceとNASA(アメリカ航空宇宙局)が中心になって、Amazon Web Services(AWS)互換のクラウドをオープンソースで開発しようとしたのが始まりだった。
ここにDell、Intel、AMD、NTT、NTTデータなどの多くの企業が参加をして、開発を進めていた。しかし、OpenStackの中核を担っていたNASAにとってはメインの事業ではないため、Compute部分(コード名:Nova)のコードを提供した段階で手を引くことになった。
またOpenStackプロジェクトは、立ち上がってから多くのIT企業から賛同を得たこともあり、プロジェクトを推進する中核メンバーが初期とは異なってきたり、参加企業が非常に多くなったりしたことで、開発方針やコミュニティ活動のガバナンスなど、さまざまな部分で問題が出てきた。
そこで2012年4月に、Rackspace、HP、Red Hat、IBM、Nebula、Canonical、SUSE、AT&Tなどをプラチナメンバーとして、OpenStack Foundationが設立された。その後は、OpenStack Foundationが開発の母体となって、開発のペースをアップしてきている。
CloudStackを推進しているCitrixもOpenStackのメンバーに入っていたが、OpenStack Foundationが設立される段階でOpenStackプロジェクトとはたもとを分かち、単独プロジェクトとして進むようになった。
OpenStack Foundationは、プラチナメンバー以外にゴールドメンバーとして、Cisco、NetApp、Dell、Yahoo、Intel、NEC、VMware、Juniper Networks、HITACHIなど19社が参加している。さらに、コーポレートスポンサーとしては、EMC、富士通、Oracle、PayPal、Seagate、Brocade、Avayaなど60社が参加している。
OpenStackのメンバーやスポンサーを見ていると、サーバーベンダーやクラウド事業者だけでなく、ストレージベンダー、ネットワークベンダーなど多岐にわたっていることがわかる。サポーティング企業・団体を含めれば、IT企業だけでなく、さまざまな企業・団体がOpenStackにかかわっている。Citrixも、サポーティング企業として名を連ねている。