ランキングで振り返る、エンタープライズ/クラウド業界動向(5~8月)
■【5月】マイクロソフトからクラウドの“萌えキャラ”が登場
2位と4位にランクインしたのは、レノボが送り出した次世代ノートPC「ThinkPad X1」の記事。また、この製品でも採用されている企業向けプラットフォーム「vPro」に関する記事も3位に入った。スマートフォンやタブレット端末に話題をさらわれがちのPCだが、クラウド時代でも、引き続き重要なデバイスであることに違いはなく、ユーザーも無関心ではいられない部分だろう。
また、6位にはマイクロソフトの“萌えキャラ”である「クラウドガール」の記事が入った。マイクロソフトが、法人向けのクラウド分野でこういった施策を行ってくるとは予想が付かなかっただけに、驚きとともに興味を引いたようだ。
■【6月】スパコン「京」が世界トップへ
6月の3位には、スパコン「京」がTOP500ランキングで世界1位を獲得したニュースが入った。次回のTOP500でも首位を守るなど、震災後の日本に何度も明るい話題を提供してくれた「京」だが、その活躍の影には、被災した協力企業の支援があったという。
また、震災にからみ電力についてもあらためて注目が集まった1年だったといえるだろう。今月の7位には「オフィス省エネソリューション」がランクインしているし、圏外の18位や21位にも省エネ関連のニュースが入るなど、何らかのニュースが、毎月上位に顔を出していた。
■【7月】海外のデータセンターを活用する動きも広がる
ソフトバンクテレコムと韓国KTによる、韓国のデータセンターを用いたサービス提供が5月に発表されるなど、BCPの観点などから、海外のデータセンターを利用する動きも広まった1年だった。その1つとして、ライブドアによる韓国データセンターサービス開始を報じる記事が4位にランクインしている。
一方、ストレージの中では“レガシー”といえるハイエンドテープライブラリの記事が7月のトップに入っているのは、驚きだった。バックアップ分野では、さまざまなディスクストレージを使った新製品が登場しているものの、まだまだ企業内にテープ装置が残っているだけに、このあたりに関する関心が高いということなのだろうか。
■【8月】“意外な企業”のクラウドサービスも
HPがPC事業を分離検討、webOS事業を打ち切りというニュースが大きな関心を集め、2位にランクイン。結局、PC事業は社内に残り、webOSはオープンソース化するということが最近発表されている。
また、クラウドの普及もあって、データセンターに関する記事はいつも高い関心を集めているが、その中でさくらインターネットが発表した、高電圧直流(HVDC)給電システムの検証結果の記事が4位に入った。
このほかでは、新規事業に力を入れているという、富士ゼロックスのクラウドサービス「SkyDesk」の発表記事が5位に。各業界とも、新規事業としてクラウド事業に注目している企業が多く、“意外な”ところからクラウドという単語を聞くことも増えてきている印象だ。