日本マイクロソフト、クラウドパートナーを今年度2000社に拡大へ


執行役常務 ゼネラルビジネス担当のバートランド・ローネー氏
クラウド事業においてパートナーの拡大は重要なテーマとなっている

 日本マイクロソフト株式会社は6日、2012年6月末までに、国内クラウドパートナーを2000社にまで引き上げる計画を明らかにした。同社 執行役常務 ゼネラルビジネス担当のバートランド・ローネー氏が、本誌の取材に対して言及したもの。さらに2013年6月を目標に、これを約1万社にまで拡大する考えも示した。日本マイクロソフトの国内ビジネスパートナーの総数は約1万社となっており、すべてのビジネスパートナーにおいて、同社クラウド製品を取り扱う体制を構築することになる。

 同社では、2011年度(2010年7月~2011年6月)を、「クラウドビジネス元年」と位置づけ、製品ラインアップの強化とともに、年度始めには約350社だったクラウドパートナーを1000社規模にまで拡大する計画を掲げていた。

 年度が終了した現時点において、BPOSを含むOffice 365のパートナーで約700社を超えたほか、AzureやDynamics Onlineのクラウドパートナーを含めて、1025社に到達。当初の計画を達成したことになる。

 ローネー執行役常務は、「当初は、日本マイクロソフトのオンプレミス製品を取り扱っていないパートナーが中心だったが、徐々に当社と長い付き合いがあるパートナーがクラウド製品の取り扱いを開始しはじめ、それによって、パートナー数の増加が加速した。2012年度(2011年7月~2012年6月)も、さらにクラウドパートナーの拡大を目指す」とした。

 2000社への拡大計画に向けては、ローネー執行役常務が統括するゼネラルビジネス部門の約300人の社員のうち、約10人をクラウドパートナー発掘のための専任部隊として組織化。リクルート活動を全国規模で展開することになるという。また、日本マイクロソフトからクラウドビジネスに関するトレーニングなどをパートナー企業に提供し、質的な向上も図る考えだ。

 「首都圏、中部、関西地区においては、ある程度のパートナー数を確保できているが、札幌、福岡、広島といった都市では、まだまだ拡大していく必要もある。今後は全国規模でのパートナー拡大が鍵になる」と語る。

 さらに、ダイワボウ情報システムやソフトバンクといったディストリビュータ系販社の2次ディーラーにも、クラウドパートナーを拡大していく考えで、これが今年度の2000社達成、あるいは来年度の1万社達成への重要なポイントになる。

 日本マイクロソフトの樋口泰行社長も、「パートナーシップの拡大、販売・サポート体制の確立、製品ラインアップという3つの柱がそろった。2012年度はこれまで以上に、クラウドビジネスを強力に推進していく」と語る。

 これまで日本マイクロソフトは、クラウドビジネスにおいては、小口案件を増やすこと、中小企業への導入を促進することを重点課題としている。

 「クラウドは、簡単に導入できるというメリットがあり、小口で入って、ビジネスを大きく拡大できることにつながる。ただ、これは逆にみれば、大規模な会社全体の仕組みばかりを狙っていると、動きが遅くなり、他社にくさびを打ち込まれ、そこから浸食される可能性もある。われわれがクラウドビジネスを推進する上でも、小さなところから突破口を数多く作ることが重要である。まず多くの企業に、マイクロソフトのクラウドを活用していただくことを重視する」(樋口社長)としてきた。

 そうした点でも、クラウドパートナーの拡大は小口案件の獲得、地場企業への浸透という効果が期待でき、同社クラウド事業の拡大へと直結するものになる。

 2000社のクラウドパートナー体制の確立は、全国規模での事業拡大を図る意味でも、重要な戦略になるといえよう。

 日本マイクロソフトでは、パートナーの倍増にあわせて、クラウドビジネスの大幅な成長を目指している。

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