ライブドア、韓国データセンターサービスを8月から提供開始へ
韓国NHNグループとB2Bインフラ事業での協力体制強化
ネットワーク事業部 事業部長の嶋田健作氏 |
株式会社ライブドアは21日、グループ会社である韓国のインターネットサービス事業最大手NHN Corporation(以下、NHN)と、B2Bインターネットインフラ事業における協力体制を強化すると発表した。NHN子会社のNHNビジネスプラットフォーム(以下、NBP)が、韓国内で運営しているデータセンターを利用した韓国データセンターサービスを、日本国内企業向けに「データホテル」ブランドで、8月より提供開始する。
韓国データセンターサービスの発表にあたって、ネットワーク事業部 事業部長の嶋田健作氏は、「当社は、2000年4月にデータセンターサービス『データホテル』を提供開始し、インターネットインフラサービス事業に着手。現在、『データホテル』では、フルマネージドホスティングサービスを主力とするデータセンター/ホスティングサービスを展開している。このほか、クラウドサービス『EX-CLOUD』、レンタルサーバーサービス『livedoorレンタルサーバー』なども提供しており、2009年度にはインターネットインフラサービス事業で売上高の35%を占めるまでに成長している」と、インターネットインフラサービス事業の概況を紹介。
NHNグループ全体図 |
「NHN Japanグループには2010年5月から加入し、ビジネスパートナーへのインフラ提供やグループ各社へのインフラサービス提供、またサービスインフラの共同開発を手掛けてきた。特に、NBPとは、今までもB2Bインフラサービスで連携を行ってきたが、今回、この連携体制をさらに強化。当社の10年にわたるデータセンターサービスのノウハウと、NHNグループ会社間の連携によるシナジーを最大限に生かし、NBPが運営する高品質な韓国データセンターサービスを、国内向けデータセンターサービスと同等のサービスレベルで日本企業に提供していく」(嶋田氏)と、NHNグループとの協力体制により韓国データセンターサービスを国内展開する背景を説明した。
利用者は、韓国を代表する「NAVER」や「ハンゲームポータル」といった大規模なサービスを運営するNHNのデータセンターを活用することで、日本国内での災害や電力供給不足によるサービスの長期間の停止、データ消失といったリスクを軽減し、最小限の初期投資でディザスタリカバリを実現できる。
また、日本国内企業のアジアにおけるゲーム市場開拓やさまざまな事業展開をする際の進出拠点として、韓国・日本間のインフラ環境の問題をなくし、強固なデータセンターを低コストで利用することが可能となる。
韓国データセンターサービスの価格競争力~電気 |
「韓国データセンターサービスの大きな特徴は、『価格競争力』と『高い安全性』、そして『高いサービスレベル』の3つに集約される」と嶋田氏。「価格競争力については、韓国の産業用電気料金は日本の約半分であり、また、日本の電力事情による影響を受けることなくインフラを提供できる。さらに、韓国NHNグループによる現地サーバーの一括調達ができる点も強みだ」という。
「高い安全性」に関しては、「韓国の地震発生は、日本の約1/250といわれており立地条件に優れている。また、コールド/ホットゾーンが分離された効率的な熱循環を実現したサーバールームを備えたソウル近郊の最新鋭データセンターを提供し、高い安全性を確保する」(嶋田氏)としている。
「高いサービスレベル」については、NHNによる韓国最大規模のインフラ運営ノウハウと高い技術力を提供する一方で、ライブドアでは、フルマネージドサービスで培った提案から運用までのノウハウを日本国内窓口で提供する。さらに、NHNグループ企業のワンストップ提供による高いサポート力を実現している。
韓国データセンターサービスの提供予定サービスプラン |
ライブドアでは、韓国データセンターを利用したサービス展開として、まず国内向けにデータセンター/ホスティングサービス、およびディザスタリカバリ/バックアッププランを提供する。また、国内で構築している「データホテル」や「EX-CLOUD」のサーバー環境を韓国にも構築し、事業者が安心してサービスを運営・提供できるインフラを国内外で拡充していく。さらに今後、NHNグループからの技術支援を受け、ストレージやサーバー環境を始めとするクラウドサービスをリリースすることも予定している。