週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】壁吹き出し空調とは

 室内空調方式の一種。データセンターのサーバー設置室において、機器冷却のための冷風を、天井や床からではなく、壁面から送り出すことで、効率化・省エネを達成するために採用される。

 サーバー設置室には多数の電子機器が設置され、それぞれが稼働時に熱を発する。機器レベルでの冷却はもちろん、設置室全体の空調をコントロールし、安定稼働に必要な室温を維持することが重要となる。また現代では、電気料金やCO2排出量の削減の努力も求められる。

 これまでのデータセンターは、床吹き出し方式による空調が一般的だった。オフィスでは、ケーブル類などを配線するために床を二重にするフリーアクセス方式がよく知られている。データセンターではケーブルに加えて、空調の吹き出し口も床面に配置し、上面に向かって冷風を送り出すケースが多かった。

 これに対して壁吹き出し方式は、文字通り壁面(部屋の横面)から冷風を送り出す。吹き出し口(開口部)が大きくなりやすいため、冷気を送風するためのファン回転数を抑えられるメリットがあるという。

 実際のデータデンターでは、こうした室内での工夫に加え、屋外から自然な外気を取り込んで冷気生成のためのエネルギーを節減したり、発熱の多い機器チップをピンポイントで液体冷却するなど、多様な手法が組み合わされている。