週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】メインフレームとは

 企業や政府機関などにおいて、基幹業務処理などを行うために用いられるコンピューターの総称。1960年代頃から使用が本格化し、一時はコンピューターと言えばメインフレームのことを指した。現代のPCやスマートフォンでは、異なるメーカーであっても一定の共通部品・共通OSが採用されるケースが大半だが、メインフレームは製造する各社が独自にハードウェアを設計し、それに伴ってソフトウェア類も専用のものが用意される。

 メインフレームは、例えば銀行における勘定処理といった重要業務を担う存在として、長らく利用されてきた。概して高性能で、耐障害性が高く、また当然ながら高価な電子機器である。安定して運用するためにも、窃盗、自然災害、停電などあらゆるリスクに備えなければらない。結果として、メインフレームを管理するための専用施設を設けたり、データセンターで厳重に管理することとなった。

 メインフレームは性能の高さの一方で、その独自性のため、システムを他社製に切り替えることが難しく、維持のためのメンテナンスコストも高止まりする傾向にあるとされる。Linuxなど汎用的なOSでの利用を前提にソフトウェアを開発したり、ハードウェア依存の少ないクラウド型SaaSが広がる背景には、メインフレームのデメリットへの反動という意味もあるだろう。

 メインフレームの代表格とされるのは、IBMが1964年に発表した「System/360」で、2020年代の今は「IBM Z」がそのポジションを継承している。日本企業もメインフレーム製造で名をはせたが、富士通が2030年までに販売を終了すると発表し、話題を集めた。