週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】スタックとは

 スタック(Stack)とは、場面・文脈などに応じて意味に若干のゆれがあるが、基本的にはデータ構造の一種である。ひとまとまりのデータを考えたとき、先に入ってきた最も古いものを先頭に並べ、後から入ってきた新しいものほど後ろへ並べていく。この中からデータを引き出すとき、最も古いデータではなく、後列にある新しいデータから順に取り出していく“後入れ先出し”型の手続きを指す。

 なお英語のStackは「積み重ねる」の意味。「雪道でタイヤがスタックした(はまり込んだ)」のスタックは「Stuck」で、異なる言葉である。

 データセンターやネットワーク運用の分野でスタック(Stack)と言えば、「ソフトウェアスタック」「プロトコルスタック」など別の語と組み合わせて用いられることが多い。ここでのスタックとは「積み重ねる」の意味から転じて、ある特定の機能・サービスを実現するために必要な一切の要素をまとめたもののことで、意味としては「セット」「スイート(Suite)」などが近い。また“後入れ先出し”の意味は、こちらにはほぼない。

 このほか、ITシステム開発などあたって、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど異なる専門分野の作業を一手に担当する(担当できる)ことを「フルスタック」と表現することがある。