週刊データセンターWatch:

NEC、日米間海底ケーブルの供給契約を新たに締結。太平洋横断としては最大の通信容量

 日本電気株式会社(NEC)は、千葉県および三重県と米国カリフォルニア州間を結ぶ光海底ケーブル「JUNO Cable System(ジュノケーブルシステム)」のシステム供給契約を締結した。2024年末に完成予定で、総距離は約1万km。日米を結ぶ海底ケーブルとしては最大の通信容量となる見込み。

海底ケーブルの敷設イメージ

 太平洋を横断するレベルの長距離光海底ケーブルは、光信号を増幅する中継機への電力供給の制約上、ケーブル1本内に収納できる光ファイバーは32心(16ファイバーペア)が限界だった。しかしJUNO Cable Systemの敷設にあたっては、新開発の低消費電力型中継機と、SDM(Space Division Multiplexing、空間分割多重)技術を採用することで最大40心を実現。総通信容量は毎秒350テラビット(Tbps)になることが期待されている。

 日本は米国とアジアの中間に位置し、データハブとして重要な拠点となっている。5Gの普及など今後さらに通信量は増すとみられ、旺盛な通信需要に対応するから新ケーブルが敷設されることとなった。なお、システム供給契約の締結先であるセレンジュノネットワーク株式会社は、NTTリミテッド・ジャパン株式会社、PC Landing、三井物産株式会社、JA三井リース株式会社の4社によって設立された企業。

 日本側の陸揚げは千葉県・三重県の2カ所で行われるため、日本近海の自然災害に対しても高い耐障害性を有するとしている。